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TARSのようなロボットを開発 / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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『インターステラー』のTARSに触発された”歩く柱”ロボット(動画あり)

2025.11.14 11:30:31 Friday

映画『インターステラーには、独特なロボットが出てきます。

まるで金属の柱が意思を持ったようなロボット「TARS」は、人型ではない奇抜な姿と多様な動作で観客の心をつかみました。

このTARSの構造と動きを、現実の技術でどこまで再現できるのかに挑んだのが、カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)ロボティクス研究所出身の研究者らによるTARS3Dプロジェクトです。

映画の空想をもとに、ロボットが歩行とローリングという2つの移動方法をこなせるかどうかを調べ、小型機で再現したのです。

この研究は、2025年10月6日付の『arXiv』で発表されました。

Interstellar-inspired TARS3D may be first such robot that both walks and rolls https://newatlas.com/robotics/interstellar-inspired-tars3d-robot/
Walking, Rolling, and Beyond: First-Principles and RL Locomotion on a TARS-Inspired Robot https://arxiv.org/abs/2510.05001

SF映画「インターステラー」のTARSに触発されたロボットが開発される

映画インターステラー』は、荒廃した地球を離れ、宇宙の彼方に人類の新たな居住地を探す壮大な探査物語です。

その中で登場するTARSは、ロボット映画によくあるヒト型とは一線を画す存在として描かれました。

4本の金属製の柱が自在に動き、必要に応じてそれらを動かしながら歩行したり、転がるように高速移動したりします。

無機質な外見にもかかわらず、優れた演算能力、作業能力、そしてユーモアまで兼ね備えたTARSは、映画の中で多くの視聴者に強い印象を残しました。

こうした独特のデザインは研究者にも新たな視点を与えます。

ロボット工学では長らく動物を模倣した形状や歩行が重視されてきましたが、TARSはその考えとは逆に、機能から発想した「非人間型ロボット」の可能性を示したのです。

とくにTARSが見せる「状況に応じて歩行とローリングを切り替える多様な移動モード」は、災害現場や倉庫、宇宙空間など多様な環境を移動するロボットにとって魅力的なアイデアとなりました。

そこでカーネギーメロン大学出身の研究チームは、このTARSの構造と動作原理を科学的に理解し、現実のロボットで再現できるかどうかを検証するために「TARS3D」と名付けられたロボットの開発を始めました。

映画の“見た目”をそのまま模倣するのではなく、なぜあの形が合理的なのか、そして映画で示された動きは物理的にどこまで成立するのかという視点から本格的な研究が行われたのです。

(次項では、実際にその動きも確認できます)

次ページ「TARS3D」が示した“歩く”と“転がる”の両立

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