画像
※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
history archeology

7000年前の「頭のない遺骨」を77体発見、スロバキア

2026.06.09 17:00:28 Tuesday

スロバキア南西部の野原から、まるで謎めいた考古学的発見が報告されました。

現在の町ヴラーブル近郊にある新石器時代の集落跡で、研究者たちは「頭のない人骨」を少なくとも77体発見したのです。

遺体は集落の入口付近の溝に横たわっており、頭蓋骨が残っていたのは子どもの骨格1体だけでした。

一見すると、7000年前に起きた虐殺や処刑、生贄の痕跡のようにも見えます。

しかしドイツ・キール大学(Kiel University)の研究チームは、これを単純な大量殺害の証拠として扱うことに慎重です。

分析から見えてきたのは、敵に首を切られたというより、死後の遺体から頭蓋骨が意図的かつ比較的丁寧に取り外された可能性です。

7000年前の人々はなぜ、遺体から頭部を取り外したのでしょう?

研究成果は2026年6月2日付で学術誌『Proceedings of the Prehistoric Society』に掲載されています。

Headless skeletons offer new insights into farming societies 7,000 years ago https://www.uni-kiel.de/en/details/news/095-vrable 77 headless skeletons found in a field date back 7,000 years https://www.popsci.com/science/headless-skeletons-slovakia/
Neolithic Bodies in Vráble – 7000 year-old Headless Human Skeletons in an Enclosed LBK Settlement in South–West Slovakia https://doi.org/10.1017/ppr.2026.10082

ヨーロッパ最初期の農耕民が暮らした大集落

今回の発見があったヴラーブル遺跡は、中央ヨーロッパの線帯文土器文化(せんたいもんどきぶんか、LBK)に属する大規模な集落です。

線帯文土器文化は、紀元前5500年ごろ〜紀元前4500年ごろにかけて広がった文化で、ヨーロッパで狩猟採集中心の生活から定住農耕へ移っていく時期を知るうえで重要な存在です。

ヴラーブルの集落は、およそ紀元前5250年から紀元前4950年ごろまで数世紀にわたって存在していました。

遺跡からは300棟を超える家屋跡が見つかっており、集落は3つの居住区に分かれていました。

そのうち1つの居住区は溝で囲まれており、研究者たちは、この溝が集落の境界として機能していた可能性を考えています。

そして問題の遺体群は、この囲いの入口付近から見つかりました。

画像
発見された頭部のない遺骨/ Credit: Martin Furholt et al., Proceedings of the Prehistoric Society(2026)

研究チームは2022年以降の発掘で、少なくとも78人分の骨格を確認しました。

そのうち77体には頭部がなく、頭蓋骨が残っていたのは子どもの骨格1体だけでした。

遺体は整然と並べられていたわけではなく、仰向け、うつ伏せ、ねじれた姿勢など、さまざまな体勢で溝の底に置かれていました。

なかには互いに重なり合うような例もあり、一見すると無秩序に見えます。

ただし、これらは完全に意味のない投棄物だったとは言い切れません。

遺体が集落の入口付近に集中していること、またほかの場所にも頭部を欠く遺体の配置が見られることから、研究者たちはそこに何らかの社会的な意味やパターンがあった可能性を考えています。

さらに初期分析では、これらの人々が亡くなってから埋められるまでに、それほど長い時間は経っていなかったことも示唆されています。

つまり、ただ古い骨が後から寄せ集められたのではなく、死亡後それほど時間を置かずに、遺体が特定の場所へ置かれた可能性があるのです。

次ページ「首を切られた」のではなく「頭蓋骨を取り外された」可能性

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

歴史・考古学のニュースhistory archeology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!