ヨーロッパ最初期の農耕民が暮らした大集落
今回の発見があったヴラーブル遺跡は、中央ヨーロッパの線帯文土器文化(せんたいもんどきぶんか、LBK)に属する大規模な集落です。
線帯文土器文化は、紀元前5500年ごろ〜紀元前4500年ごろにかけて広がった文化で、ヨーロッパで狩猟採集中心の生活から定住農耕へ移っていく時期を知るうえで重要な存在です。
ヴラーブルの集落は、およそ紀元前5250年から紀元前4950年ごろまで数世紀にわたって存在していました。
遺跡からは300棟を超える家屋跡が見つかっており、集落は3つの居住区に分かれていました。
そのうち1つの居住区は溝で囲まれており、研究者たちは、この溝が集落の境界として機能していた可能性を考えています。
そして問題の遺体群は、この囲いの入口付近から見つかりました。

研究チームは2022年以降の発掘で、少なくとも78人分の骨格を確認しました。
そのうち77体には頭部がなく、頭蓋骨が残っていたのは子どもの骨格1体だけでした。
遺体は整然と並べられていたわけではなく、仰向け、うつ伏せ、ねじれた姿勢など、さまざまな体勢で溝の底に置かれていました。
なかには互いに重なり合うような例もあり、一見すると無秩序に見えます。
ただし、これらは完全に意味のない投棄物だったとは言い切れません。
遺体が集落の入口付近に集中していること、またほかの場所にも頭部を欠く遺体の配置が見られることから、研究者たちはそこに何らかの社会的な意味やパターンがあった可能性を考えています。
さらに初期分析では、これらの人々が亡くなってから埋められるまでに、それほど長い時間は経っていなかったことも示唆されています。
つまり、ただ古い骨が後から寄せ集められたのではなく、死亡後それほど時間を置かずに、遺体が特定の場所へ置かれた可能性があるのです。




























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