水からウランを抽出する新手法を開発の画像 3/4 - ナゾロジー

水からウランを抽出する新手法を開発の画像 3/4
水からウランを抽出する新手法を開発の画像 3/4 図は、海水に溶けたウランイオン(UO₂²⁺)を“両側から挟み撃ち”で奪い取る様子を描いています。左右に銅製の陽極とチタン製の陰極が向かい合って据え付けられています。スイッチを入れるとまず陰極側で電場が働き、プラスに帯電したウランイオンが磁石に吸い寄せられる鉄粉のようにチタン表面へ集まり、そこで電子を受け取って不溶性の酸化ウラン(UO₂)へ変わって張り付く――これが“直接電気還元”です。同時に陽極の銅はわざと錆びる方向(Cu⁰→Cu⁺→Cu²⁺)にゆっくり酸化され、その途中で生まれるCu⁺がウランイオンと出会うと、電子を譲り渡してUO₂やU₃O₈に変える“間接還元”を引き起こします。つまり陰極は電気でウランを引き寄せて還元し、陽極は自分が酸化されるエネルギーを利用してウランを巻き込みながら沈殿させるという二段構えで、どちらの極にもウランが固体として付着します。酸素発生のような高電圧反応を回避しているため駆動電圧はたった0.6Vで済み、海水中のウランが次々と両極に“吸いつく”ことで溶液側の濃度は急速に下がり、装置全体がまるで低い堤防を越えながら水面を一気に干上がらせるようにウランを抜き取っていきます。/Credit:Yanjing Wang et al . Nature Sustainability (2025)

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