鳥は脳の半分を覚醒させたまま睡眠できる
最初に鳥の睡眠がどのようなものかご紹介します。
鳥は人間や他の哺乳類と比べてはるかに睡眠時間が短い生き物です。さらに睡眠のサイクルも人間たちと比べると独特だと言えます。
人間や哺乳類は深い眠りのノンレム睡眠と脳が活発に働いているレム睡眠を繰り返し、一度レム睡眠になるとその状態が数分間は続きます。
ちなみにレム睡眠時には脳が活動的になるにもかかわらず、筋肉が完全に緩んでしまうため、特に鳥類にとっては危険な状態だと言えるでしょう。
ところが、鳥のレム睡眠は哺乳類と違って10秒も続きません。鳥はこの特殊な睡眠サイクルによって脳を熟睡させつつ、身体はいつでも素早く反応できるようになっているのです。
さらに鳥類は、脳の半分を睡眠状態にし、もう片方を覚醒させ続けることも可能です。
この状態は鳥の目を見ることで確認できます。片方の目は逆側の脳と繋がっているため、開いている目で脳の覚醒状態を知ることができるでしょう。
例えば、右目だけが開いている場合、左脳が覚醒状態にあり右脳は睡眠状態にあると分かります。
鳥たちはこのような柔軟な睡眠スタイルを身に着けているため、睡眠中に捕食者に襲われてもすぐに逃げることができます。
さらに一部の鳥は、長期飛行の最中に睡眠をとることもあるのだとか。当然レム睡眠時には身体が弛緩するのですが、それも数秒なので問題ありません。
そしてこのような睡眠スタイルは、鳥たちが枝の上で休息するのにも役立つことでしょう。
しかし、鳥が枝から落ちないのは、他の要因も関係しています。枝をつかむ足と爪にも秘密が隠されていたのです。