親指を小指に向かって伸ばすだけ
早速、診断テストの方法を紹介しましょう。
まず、手のひらを上にした状態で片手を出してください。右と左のどちらでもかまいません。
次に、その状態のまま、親指だけをゆっくりと小指側に向かって伸ばしていきます。
無理に力を入れず、自然と伸びるところまで伸ばしてください。
これだけです。
このとき、親指が中指〜小指あたりで止まれば問題ありません。
しかし、小指を超えるほど伸びた場合、大動脈瘤を持っている可能性があります。
研究主任のジョン・エレフテリアデス氏によると、「これほど親指が伸びることは、長骨が過剰で関節が緩んでいることを示しており、大動脈瘤の兆候として知られている」とのこと。
実際に、大動脈瘤を含むさまざまな疾患で心臓手術を受けたことのある患者305名を対象に調査したところ、親指が過剰に伸びる傾向が高かったといいます。
また、大動脈瘤のタイプは主に「胸部」と「腹部」に分かれますが、このテストで分かるのは、前者の心臓から上方向に伸びる血管にできる「上行大動脈瘤」です。
このテストは20年以上前から動脈瘤の有無を調べる簡易的な診断法として知られていましたが、決して確実な方法ではありません。
エレフテリアデス氏は「親指が過剰に伸びる人すべてに大動脈瘤があるわけではない」と指摘します。
大動脈瘤は50代後半の男性に多く発症する病気であり、喫煙や高脂肪の食生活、太りすぎなどが大きな原因とされています。
これらの条件に当てはまる人、あるいは両親や祖父母に大動脈瘤を患った病歴のある人で、親指が伸びすぎた場合は、大動脈瘤の可能性が考えられるとのことです。
大動脈瘤は不快感を引き起こすことがありますが、ほとんどの人は検査で発見されるまで大動脈瘤があることに気づきません。
動脈瘤が破裂した人の50%は病院に到着する前に死亡し、病院に到着しても手術を受けて助かる確率は半々です。
このテストは精度の高い診断ツールではありませんが、親指が過剰に伸び、かつ生活習慣や病歴に不安のある方は、病院で一度診察してもらった方が良いでしょう。