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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
brain

パニック障害の人に共通する「脳の変化」を発見

2026.02.09 17:00:12 Monday

突然、理由もなく激しい不安に襲われ、動悸や息苦しさ、めまいが止まらなくなる。

こうした発作を繰り返す「パニック障害」は、多くの人が抱える精神疾患です。

では、その不安や恐怖は、脳の中で何が起きていることと関係しているのでしょうか。

今回、世界中の研究者が集めた約5000人分の脳画像を解析した豪メルボルン大学(The University of Melbourne)らの大規模研究によって、パニック障害の人に共通する「ごくわずかながら一貫した脳の変化」が初めて明確に示されました。

研究の詳細は2026年1月13日付で科学雑誌『Molecular Psychiatry』に掲載されています。

Structural differences found in brains of people with panic disorder https://medicalxpress.com/news/2026-02-differences-brains-people-panic-disorder.html
Structural brain differences associated with panic disorder: an ENIGMA-Anxiety Working Group mega-analysis of 4924 individuals worldwide https://doi.org/10.1038/s41380-025-03376-4

世界規模の解析で見えてきた「共通点」

これまでパニック障害のを調べた研究は数多くありましたが、参加者が数十人から百人程度と少なく、研究ごとに結果が食い違うという問題がありました。

そこで今回、国際研究チームは、世界各地の研究データを統合し、10歳から66歳までの約5000人を対象に脳の構造を調べました。

そのうち約1100人がパニック障害の診断を受けており、残りは精神疾患のない人たちです。

研究チームはMRIを用い、脳の「皮質の厚さ」や「表面積」、そして脳の奥にある重要な部位の大きさを統一した方法で測定。

その結果、パニック障害の人では、脳の表面にあたる皮質が全体的にわずかに薄く、前頭葉や側頭葉、頭頂葉といった領域が平均して少し小さいことが分かりました。

重要なのは、この違いが非常に小さい点です。

見た目で分かるほどの差ではありませんが、世界中のデータをまとめて分析することで、同じ傾向が一貫して確認されました。

これは「パニック障害の脳には共通した特徴がある」ことを、これまでで最も信頼性の高い形で示した結果だといえます。

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