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月はなぜ地球から遠ざかっていくのか?
現在地球を回る月軌道の直径は約76万8千キロメートルです。しかし、この距離は毎年3.8センチメートルずつ広がっています。
この月が実は地球から遠ざかっているという話は、有名なので聞いたことのある人も多いでしょう。
では、なぜそのようなことが起きるのでしょうか?
この理由を知るためには、まず潮汐力というものについて理解する必要があります。
潮汐力とは
潮汐力は、引力と似た意味を持っていますが、もう少し複雑な力のかかり方をしています。
重力は重力源から離れるほど弱くなってしまうため、空間に一様に働いてはいません。
そのため、地球のように巨大な物体に月の重力が影響した場合、月に近い正面方向は強く引っ張られますが、反対側はあまり引っ張られません。
これは一端を固定したゴムボールを、ぐにっと引っ張っているような状態です。
このとき、ゴムボールは前後に引き伸ばされますが、上下左右はつぶれた形になるのがイメージできるでしょうか?
このようにして、月の重力は上の図のように、地球に力を働かせています。
この重力源に対して正面方向は引き伸ばされ、側面方向は押しつぶされるような力の掛かり方を潮汐力と呼びます。
そして、潮汐力は地球の海に影響を及ぼしています。
潮汐というと、単に浜で見られる潮の満ち引きだけを想像する人が多いでしょうが、実はこのとき海は月の方向に膨らんでいて、それ以外の方向では潰れているのです。
では潮汐力がわかったところで、本題の月が地球から離れてしまう理由について考えていきましょう。