「166人vs8万人」でスペインが勝てた理由とは?
コロンブスがアメリカ大陸を発見した1492年、歴史は大きなターニングポイントをむかえました。
これを機にヨーロッパ勢が南北アメリカの征服に乗り出したのです。
1532年、スペイン王国の軍人ピサロは、わずか166名の兵を率いて、インカ帝国の皇帝アタワルパに戦闘をしかけました。
アタワルパ軍の兵力は約8万。
ところが、フタを開けてみると、スペイン側はわずか数分でアタワルパを捕らえ、8ヶ月にわたり身代金を絞りとった挙句、絞首刑にしました。
数に劣るスペインが圧倒できたのはなぜでしょう?
それは、銃、機動力に長けた馬、鉄製の剣や槍を持っていたからです。
くわえて、スペイン側の最大の武器は「病原菌」でした。
スペイン人が持ちこんだ天然痘・インフルエンザは、もともと南北アメリカに存在せず、免疫力のない先住民たちは凄まじい勢いで死んでいきました。
1530年代には800万人いたインカ帝国の人口は、1590年代に100万人まで激減しています。北アメリカも同じ運命に見舞われました。
南北アメリカは1492年から、たった100年で滅亡の危機に立たされたのです。
先住民たちは、「銃・病原菌・鉄」という持たざる物によって滅ぼされました。
ヨーロッパは同じように、アフリカ、インド、オーストラリアなどを征服していきます。
では、文明の格差を生んだ「銃・病原菌・鉄」が、一部の人間だけに発達したのはなぜでしょう?