「銃・病原菌・鉄」はどうして生まれた?
その原点は、農耕・牧畜にあります。
農耕と牧畜はほぼ同時にはじまりました。牧畜は当初、食肉生産でなく、フンを肥料にしたり、大きな農具を引かせるためのものだったからです。
こうして、狩猟・採集民の移住生活は、農耕・牧畜の定住生活に変わりました。
すると、女性たちの出産間隔が短くなり、人口が安定して増加。
食料の貯蓄も可能になり、農業をしなくても暮らしていける一団が誕生しました。
つまり、エリート層です。
エリート層は、物資を税として取り立てることで、政治や鉄器加工、文字の開発などに専念しました。
さらに、天然痘・インフルエンザは、家畜に感染していた病原菌が突然変異で人間に伝染したものです。
牧畜によって家畜が身近にいるコミュニティーは、つねに病原菌にさらされ、その結果として免疫が獲得されました。
農耕・牧畜を早く開始できたところほど、文明(銃・病原菌・鉄)の発達も早かったのです。
それでは、農耕・牧畜がユーラシア大陸で早期に発達し、南北アメリカで発達しなかったのはどうしてでしょう?