ニコラ・テスラによる6つの奇行的な発明
殺人光線
テスラは、水銀の同位体を音速の48倍に加速してビームを発生させれば、軍隊全体を破壊するのに十分なエネルギーを生成すると考えました。
実際にテスラは、米国を含むいくつかの政府にこのアイデアを売り込もうとしましたが、実験を行ったのはソビエト連邦だけでした。
しかも、実験の結果はテスラの期待どおりにはならなかったとのこと。
ちなみに、テスラはこの殺人光線を「Peace Ray」つまり「平和光線」と呼んでいます。
地震装置
1893年、テスラは蒸気で動く機械式振動子の特許を取得。これは振動によって発電を行うためのメカニズムでした。
しかし機械を調整していくなかで、実験室の建物が崩壊するほど大きな振動を発生させてしまったとのこと。
彼は当時の様子を記者に次のように語りました。
「外では大混乱が起こり、警察や救急車も来ました。私はアシスタントを口止めし、警察には地震だとごまかしたのです」
このエピソードが事実か物語なのかは分かりませんが、現在、同様の原理が地質学的特性や地下鉱物を発見するために用いられています。
ワイヤレス送電によって飛ぶ超音速飛行船
最近のワイヤレス充電は画期的な発明だと言えます。
ところがテスラからすると、そんな現代の発明でさえ、小さなものに思えるのでしょう。
テスラの特許の多くは、発電や送電の分野にありますが、彼はこの分野でも突飛なアイデアを生み出していました。
ワイヤレス送電するための塔を建てようとしたのです。
しかしながら莫大な資金を要求された資金提供者が、途中で協力を拒否するようになりました。
結果として1906年にプロジェクトは放棄され、建設中の塔も解体されることに。
ところが、テスラはこれで諦めませんでした。
1919年、彼は地上に建設した塔から「ワイヤレス送電し、超音速飛行船を動かす」というアイデアを発表したのです。
テスラの計画では、飛行船は地上から1万2000mの高さを時速1600kmで飛行するはずでしたが、当然実現していません。
思考カメラ
テスラのもっとも突飛なアイデアの1つに、「自分の思考を写真に撮る」というものがあります。
当時彼は、思考によって形成された明確なイメージは網膜上に映し出されていると考えていました。
そのため写真のプロセスを応用して、網膜に浮かんだ思考を画像として映し出せると主張。
もちろんこの発明は実現しませんでした。
しかし現代でも、脳波を読み取とったり、思考をマシンでアウトプットしたりする方法が研究されています。
コンセプトとしては間違っていなかったのかもしれませんね。
リモコン操縦艦船
軍事技術の分野でもテスラは複数の発明品を生み出しています。
当時、テスラは「戦争を防止するための最善の方法は、戦争を全く無意味なものにするか、参加者にとって壊滅的なものにして、誰もが二度と戦争をしようと思わないようにすることだ」と述べました。
そして彼は戦争を無意味な行為にするため、戦場である海上から人を排除する方法を考えました。
実際に無線によって操縦できる小舟を開発してみせたのです。
彼のアイデアは、現在の遠隔操作・ドローン技術とほとんど同じものです。ただしこの技術が実際に戦争を無くすわけではなさそうですね。
人工津波
テスラはまた、驚異的な海上兵器によって敵軍の戦艦を無意味なものにしようとしました。
その方法が人工津波です。
そのために彼は「テルオートマトン」と呼ばれる操縦可能な爆発性物質を考案。
敵軍の戦艦近くで爆発させることで、人工的に津波を作り出し、敵軍すべてを津波で一層しようとしたのです。
ちなみにテスラの計算によると、テルオートマトンは30mをこえる津波を作り出せるはずでした。
しかし、同様の実験は1940~1950年代に米国とソビエト連邦によって行われており、水中で核爆発を起こしても効果的な津波を生み出せないと判明しています。
ここまででニコラ・ステラによる6つの奇行的な発明をご紹介してきました。
天才発明家なだけあってその発想は突飛ですが、中には現代や近未来の技術に近いと思えるものもあったのではないでしょうか?
同様に、現代では奇妙で突飛だとされるアイデアでも、将来、革命的な発明に繋がるのかもしれませんね。