カゲロウは最初に飛んだ虫
近年の研究により、昆虫がうまれたのは4億8000万年前であることが明らかになっています。
地球上の種の数が劇的に増加したカンブリア爆発が起きたのが5億年前であることから、昆虫の誕生がいかに早かったかがわかります。
昆虫が誕生した当時、陸上には、やっとコケ類が増え始めたばかりであり、背の高い植物は存在していませんでした。
そんな世界で、昆虫は最初の陸上動物として生活をはじめることになります。
転機が訪れたのは4億年前。
この頃になると植物もコケだけでなく、丈のあるシダ類の先祖もあらわれはじめます。
つまり、昆虫たちの生活の場がより立体的になってきたのです。
すると、昆虫たちの中に、ハネをはやして飛び回るものたちがあらわれました。
旧翅類(きゅうしるい)と呼ばれる彼らは、地球で最初に空を飛んだ最も原始的な昆虫とされています。
現在の地球上で旧翅類に分類される虫は2グループしか存在しません。
1つは恐竜の時代に大型化したことが知られているトンボ。
そしてもう一つがカゲロウでした。
しかし近年になりトンボよりカゲロウのほうがより古い昆虫であるとされるようになり、その場合、カゲロウは最初に空を飛んだ生物の、最後の生き残りとなります。