「脚の速さ」を決める要因が成長期のある一点で変化すると判明
「脚の速さ」を決める要因が成長期のある一点で変化すると判明 / Credit:Canva
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「脚の速さ」を決める要因が成長期のある一点で変化すると判明

2026.02.23 21:10:09 Monday

日本の岩手大学(Iwate University)と中京大学(Chukyo University)などの研究グループが行った観察研究によって、子どもの「脚の速さ」を左右する要因が、成長期の途中でガラッと切り替わることが示されました。

研究では、身長が最も速く伸びる年齢(PHV:成長スパート)からおよそ1.1年後のあたりで、足の速さの決め手が、脚の長さ中心の世界から、筋力と筋肉の厚さ中心の世界にスイッチする傾向があることが示されました。

もしこの成果を応用できれば、「早熟エリート」が小学生のうちに独走するだけでなく、「遅咲きランナー」が成長スパートのあとで追い上げるための“逆転のチャンス”も、科学的に設計できるかもしれません。

研究内容の詳細は、2026年1月30日にオンライン版として『European Journal of Sport Science』に掲載されました。

子どもの「脚の速さ」を決定する要因が、成長期の途中で大きく転換することを解明 https://www.iwate-u.ac.jp/cat-research/2026/02/007177.html
Determinants of Sprint Ability Change During Maturation in Developing Children https://doi.org/10.1002/ejsc.70133

脚の速さは何が決めているの?

脚の速さは何が決めているの?
脚の速さは何が決めているの? / 成長を横軸、走る速さを縦軸にしたもの。途中までは成長と走る速さが比較的綺麗なライン近くに集まっているが、ある段階からそれがばらけてしまう。/Credit:子どもの「脚の速さ」を決定する要因が、成長期の途中で大きく転換することを解明

小学校の運動会のリレーを思い出してみてください。背の順で並んだとき、後ろのほうにいる背が高い子が足も速かった、という記憶がある人は多いと思います。

走る速さは、大ざっぱに言えば、一歩の長さと、足の回転の速さを掛け合わせたもので、足の回転が同じでも背が高いほど一歩の長さが大きくなり、そのぶんタイムもよくなりやすいです。

一方で、中学に入ると「背が高いのに意外と遅い」「小さいのに異常に速い」という子が出てきて、順位がごっそり入れ替わることがあります。

この「逆転劇」を、これまではなんとなく「成長のタイミング」「練習量」「才能の差」などで説明してきました。

しかし、どこからどこまでが“背の高さボーナス”で、どこから“筋肉の中身勝負”に切り替わるのか、その境目ははっきりしていませんでした。

先行研究でも、思春期前後で走力の伸びが一時的に停滞する“谷”があることは知られていましたが、何がどう切り替わっているのかは曖昧なままでした。

そこで今回研究者たちは、身長が最も速く伸びる年齢(PHV:成長スパート)を基準に「そこから何年離れているか?」という部分に着目し、脚の速さの決め手が切り替わる“境界線”を探ろうとしました。

もしその境界線が見つかるとしたら、子どもの走力の伸び悩みは、単なる練習不足ではなく、「ゲームのルールが変わったサイン」として見直せるかもしれません。

本当にそんな分かれ目があるのでしょうか。

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