週4日勤務へ移行した14社で成果が落ちなかった
週4日勤務と聞くと、「1日の労働時間が長くなるだけでは?」と思う人もいるかもしれません。
実際、1970年代のエネルギー危機の頃に広まった週4日勤務は、週40時間の仕事を4日間に圧縮する形でした。
つまり、1日10時間働いて、休みを1日増やすという方式です。
しかし今回の研究が扱ったのは、それとは異なる「100:80:100モデル」です。
これは、従業員が給与の100%を受け取りながら、以前の80%の時間だけ働き、その代わりに従来と同じ100%の成果を維持するという仕組みです。
簡単に言えば、「給料はそのまま、働く時間は短く、成果は落とさない」という働き方です。
研究チームは、このモデルを正式に試行したオーストラリアの15社に注目しました。
対象企業は、物流、不動産管理、医療、出版、会計、マーケティング、研修・コンサルティングなど幅広い業種にまたがっていました。
企業規模は小規模から中規模で、従業員数は2人から85人までです。
そして研究では、各企業で週4日勤務の導入に関わった意思決定者たちにインタビューを行いました。
興味深いのは、多くの企業が週4日勤務を「生産性アップの魔法」として始めたわけではなかったことです。
最も多かった導入理由は、燃え尽き症候群の予防でした。
15社中6社がこれを主な理由に挙げ、5社が従業員のワークライフバランス改善を挙げています。
長時間労働や人材流出、病欠、メンタルヘルスの問題を前に、企業側も「このままでは人が持たない」と感じていたのです。
では、実際に成果はどうだったのでしょうか。
調査時点で、15社のうち14社は100:80:100モデルを継続していました。
1社だけは中止しましたが、この企業は導入時に事業の方向転換など大きな変化を抱えており、制度そのものよりもタイミングの悪さが大きかったと説明されています。
生産性については、6社が「向上した」と回答し、8社が「ほぼ同じ」と答えました。
中止した1社は、十分に測定できる段階ではなかったため回答できませんでした。
つまり、今回の聞き取りでは、少なくとも生産性を評価できた企業の中で、週4日勤務による生産性低下を報告した企業はありませんでした。
では、なぜ労働時間を2割減らしても、成果が落ちなかったのでしょうか。





















































