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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
geoscience

大雨が降ると富士山は「身長が数センチ伸びる」と判明

2026.05.20 12:00:23 Wednesday

富士山は、日本でもっともよく知られた山です。

しかしその高さは、私たちが思っているほど完全に固定されたものではないようです。

北海道大学の研究チームは、富士山の山頂や周辺に設置された電子基準点のデータを解析し、大雨の後に富士山の山頂付近が数センチほど隆起することを明らかにしました。

つまり富士山は、台風や線状降水帯による大雨を受けると、一時的に「身長が伸びる」ような変化を見せるようです。

ただし、これはマグマが上昇して噴火に近づいているサインではありません。

研究チームはこの現象を、地下水によって起こる「冷たい膨張」として捉えています。

研究の詳細は2026年4月28日付で学術誌『Geology』に掲載されました。

大雨が降ると富士山は数センチ高くなる~噴火前に起こる膨張との区別が重要~ https://www.hokudai.ac.jp/news/2026/05/post-2283.html
Heavy rains inflate Mount Fuji, central Japan https://doi.org/10.1130/G54450.1

大雨のあと、山頂近くは隆起し、遠くは沈む

富士山は「水の山」としても知られています。

富士山の斜面には大きな川がほとんど見られません。

その理由は、降った雨が地表を川として流れ下るのではなく、火山の溶岩層のすき間に染み込み、地下を通って山麓へ流れていくためです。

富士山の水が、やがて湧き水や湖、滝として姿を現すのは、この地下の水の通り道があるからです。

研究チームは、国土地理院が富士山周辺に展開している電子基準点の上下の動きを調べ、気象庁のアメダスによる雨量データと比較しました。

電子基準点は、測位衛星からの電波を受け取り、地面の動きをミリメートル単位で測る観測装置です。

その結果、台風や線状降水帯によって大雨が降った後、山頂に近い観測点では数センチ程度の隆起が見られました。

一方で、富士山から離れた山麓や周辺地域では、逆に数センチ程度の沈降が起きていました。

同じ大雨なのに、山の中心に近い場所は持ち上がり、遠い場所は沈むのです。

遠い場所の沈降は、雨水そのものの重みによって地面が押し下げられる「荷重変形」と考えられます。

次ページ富士山を押し上げたのは、マグマではなく地下水

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