「ブルーホール」はどうやって形成される?
ブルーホール(blue hole)とは、海底下に見られる水中に没した大きな穴の地形のことです。
これまでの研究で、ブルーホールは数千年から数万年という長い時間をかけて形成されることがわかっています。
一般にブルーホールが最もよく見られる場所は、岩盤が浸食されやすい海岸地域です。
長い地球史において、海面は気候変動により上がり下がりを繰り返しており、今は水中に没している場所でもかつては海面の低下に伴って陸地になっていたところがたくさんあります。
こうした場所は陸地だった時代に降水や河川によって岩盤が浸食されて、窪みのような地形が形成されることがあります。
そして気候変動により再び海面が上昇することで、この窪みが水中に没します。
さらにこの窪みに海の水が浸透すると、岩盤のミネラル分が溶け出し、時間をかけてさらに穴が深くなっていきます。
こうして出来るのが「ブルーホール」です。
ブルーホールは現在、南太平洋のバヌアツやエジプト、日本では沖縄県の渡名喜島の近くなどで見つかっています。
しかし中でも最も有名なのは、中央アメリカ北東部のベリーズにある「グレート・ブルーホール」でしょう。
グレート・ブルーホールはベリーズ本土の沖合70キロに位置し、直径318メートル、水深124メートルの美しい円筒形をしています。
青緑色の透き通った海と周囲を取り巻くサンゴ礁の幻想的な景観が特徴で、ユネスコの世界自然遺産にも登録されています。
また現在、世界で最も深いブルーホールは南シナ海にある「ドラゴン・ホール(Dragon Hole)」で、水深は約301メートルに達します。
しかし今回の新たな調査で、この記録を遥かに上回る世界最深のブルーホールが見つかりました。