インド洋にある「重力の穴」の謎
これは緯度や高度、地下の岩石の密度などが原因であり、科学的に説明できます。
現代では、正確な調査と分析により、地球全体の重力の違いを視覚的に認識することもできます。
ただし、インド洋には未だ原因がはっきりと分かっていない謎の重力異常が見られており、「インド洋低ジオイド地域(IOGL:Indian Ocean geoid low)」と呼ばれています。
通称はインド洋の「重力の穴」であり、重力地図で見ると、確かに地球にぽっかりと穴が開いたようにそこだけ重力が弱くなっているのが分かりますね。
この円形の「重力の穴」の面積は約300万km2であり、インド本土とほぼ同じ大きさです。
加えてその局所的な重力の弱さから、この領域の海水面は、地球の平均海水面より最大106mも低くなります。ため)
海水は月の微弱な重力にさえ引っ張られて潮汐を起こしています。そのため地球上の重力が強いポイントに海水は引き寄せられて海水面が盛り上がり、重力の弱いポイントは逆に海水を奪われて海面が下がってしまうのです。
とはいえ、「重力の穴」に見られるほど極端な違いを生じさせるのは、まさに異常だと言えます。
そんな巨大で異常な「重力の穴」は、1994年にオランダの地球物理学者フェリックス・ベニング・マイネス氏によって発見されましたが、未だにその原因は解明されていません。
そして約40年が経過した現在、デバンジャン・パル氏ら研究チームが新説を提唱しました。
多くの科学者たちは、今の現象に目を向けてきましたが、彼らは遠い過去に目を向け、その原因を理解しようとしました。