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超大型無人潜水艦「エクスカリバー」を地球の裏側から操作 / Credit:Royal Navy
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超大型無人潜水艦「エクスカリバー」を”地球の裏側”から遠隔操作することに成功

2025.08.20 06:30:51 Wednesday

海の底を進む未来兵器が、地球の裏側から操られる時代がやってきました。

2025年7月、イギリス海軍が開発した超大型無人潜水艦「XV-エクスカリバー(Excalibur)」が、なんとオーストラリアから遠隔操作され、イギリスの海域をパトロールすることに成功したのです。

この実験は、英米豪による「AUKUS(オーカス)」の技術連携プロジェクト「Pillar II(ピラー2)」の一環で行われました。

海中の無人戦力が、本格的に軍事の主役に躍り出ようとしています。

Royal Navy robotic sub controlled from 10,000 miles away https://newatlas.com/military/royal-navy-robotic-sub-distance-control/ AUKUS exercise sees Royal Navy uncrewed submarine controlled from across the world https://www.royalnavy.mod.uk/news/2025/august/11/20250811-aukus-maritime-big-play-ex-talisman-sabre

海中ドローン時代の幕開け!超大型無人潜水艦「エクスカリバー」の実験が行われる

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超大型無人潜水艦「エクスカリバー」 / Credit:Royal Navy

XV-Excalibur(エクスカリバー)」は、イギリス・プリマスに本拠地を持つ造企業「MSubs」によって開発された超大型無人潜水艦(XLUUV:Extra Large Uncrewed Underwater Vehicle)です。

全長12メートル、幅2メートル、排水量19トン(大きさを表す。潜水艦によって押しのけられる水の重量)のこの機体は、第二次世界大戦時に使用されたX-Craftという小型潜水艦とほぼ同じサイズですが、その中身はまったくの別物です。

有人潜水艦とは異なり、乗員を乗せるための生活空間や生命維持装置は一切不要。

そのため、内部にはセンサー、監視装置、任務用機材を隙間なく詰め込むことができます。

今回のエクスカリバーは兵器を搭載していませんが、欧州で最も先進的な無人潜水艦と評価されています。

その目的は、対潜水艦戦(敵の潜水艦を探知・追跡)、海底の軍事インフラを調査・防衛・妨害、監視・偵察(敵の活動を水中から探知しリアルタイムでデータを収集)などです。

これらの任務は、いずれも乗員の命を危険に晒す必要がない無人潜水艦だからこそ可能になります。

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対潜水艦戦、海底インフラの防衛、偵察などの任務を行う / Credit:Royal Navy

特に、戦争の舞台が空から海底にまで広がる現代において、深海ドローンの重要性はますます高まりつつあります。

実際、世界中の軍が今注目しているのが「海底戦」です。

私たちが日々利用するインターネット通信は、世界中に張り巡らされた海底ケーブルによって繋がれています。

つまり、これらを破壊・防衛する能力も、次世代の覇権を左右するのです。

とはいえ現段階では、このエクスカリバーの航続距離や推進方式などは軍事機密扱いとなっており、詳細は明かされていません。

この”謎の多さ”も、未来兵器としての注目を集めることとなっています。

では、今回の遠隔操作実験はどれほど画期的で何を知ることができるのでしょうか?

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