乳歯を作る幹細胞は母体の中の段階で働いていた?
最初に乳歯がどのようにして作られるのか考えてみましょう。
受精卵となってから3週間が経つと、平らで小さな円盤型の細胞に成長します。
この円盤から形成されたチューブは重要な幹細胞に囲まれており、それぞれが脊髄や脳、中耳の骨、心臓、歯などを作ります。
そして約6~8週間で、これら幹細胞の小さなグループが歯茎の下にこぶを形成し、変容を遂げていくのです。
そのうちのあるものは象牙芽細胞(ぞうげがさいぼう)となり、歯の主体を成す硬組織「象牙質(ぞうげしつ)」を形成していきます。
また別の細胞はエナメル芽細胞(英: ameloblasts)になります。これは歯の外側の硬い層「エナメル質」を作る細胞です。
エナメル芽細胞は化学物質の混合物を分泌し、それを固めて結晶を作ります。
その後、上方に移動し、再度同じ工程を実行。これを繰り返すことにより、エナメル芽細胞は長い結晶棒を形成し最終的には死にます。
そして何百万本もの結晶棒が歯のエナメル質層を構成。
乳歯のエナメル質加工がすべて完了することで、乳歯が歯茎から顔を出すようになります。
つまり生後3ヵ月ほどで発見できる乳歯は、実は他の重要な器官と同じように胎児の段階で作られていたのです。