「名誉文化」とは?
名誉文化とは、自分や家族の評判、尊厳、社会的な名誉を非常に重要なものとして扱う文化を指します。
こうした社会では、人々は礼儀や体面を重んじ、他者を侮辱しないよう慎重に振る舞う傾向があります。
一方で、自分の名誉が傷つけられたと感じた場合には、それを強く問題視する傾向もあります。
この文化は、歴史的には牧畜社会で発達したとする説が有力です。
牧畜社会では家畜が家族の財産であり、盗難によって生活基盤が一瞬で失われる可能性がありました。
そのため、自分や家族が「簡単に手出しできない相手」であるという評判を築くことが、防衛手段の一つとして重要だったと考えられています。
現在でもアメリカでは、特に南部や西部の州がこの文化的伝統を比較的強く持つ地域とされています。
名誉文化とうつ症状・自殺念慮の関係
研究チームはその調査で、アメリカ50州を対象に、それぞれの州がどの程度、名誉文化の特徴を持つかを評価しました。
この評価では、例えば、「家父長的・父権的価値観の強さ」や、アメリカならではの「銃規制の緩さ」など、名誉文化と関連する複数の社会的指標が用いられました。
チームは次に、公衆衛生データを用いて各州における
・過去1年間に少なくとも2週間うつ状態を感じた成人の割合
・うつ病と診断された成人の割合
・過去1年に自殺念慮を報告した成人の割合
を調べました。
その結果、貧困や教育水準など、うつ症状と関連する他の要因を統計的に調整した後でも、名誉文化の特徴が強い州では、うつ症状を経験した人の割合がやや高い傾向が見られたのです。
さらに、カリフォルニア州とルイジアナ州に住む4235人の成人を対象に個人レベルの調査も実施。
分析の結果、年齢、性別、収入、教育、宗教性などの要因を考慮した後でも、名誉文化の価値観を強く支持する人ほど、うつ症状や自殺念慮がやや多いという、統計的に有意な関連が確認されました。



























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