1つ目:物事が「腑に落ちる」まで手放せない
話し合いがまとまった後でも、「あの説明はどこかおかしい」と考え続けてしまうことはないでしょうか。
ほかの人はすでに気持ちを切り替えているのに、1人だけ未解決の疑問に何度も立ち戻ってしまうのです。
周囲からは、細かいことにこだわり、済んだ話を蒸し返しているように見えるかもしれません。
しかし、こうした傾向には「認知欲求(need for cognition)」と呼ばれる心理的な性質が関係していると考えられています。
認知欲求とは、頭を使うことを避けるのではなく、むしろ積極的に考え、物事を深く理解することを楽しむ傾向です。
この傾向が強い人は、単にたくさん考えるだけではありません。
説明が不完全だったり、話のつじつまが合わなかったりすると、強い引っかかりを覚えてしまいます。

こうした「納得するまで執拗に考え続ける癖」と「認知能力の高さ」は、一緒に現れやすいことが過去の研究でも示されています。
知能の高い人にとって、「なんとなく分かった」「とりあえずまとまった」という状態は、本当の意味での解決ではありません。
会話が答えの出ないまま終わったり、説明が曖昧な言葉で片づけられたりすると、思考の作業が途中で中断されたように感じます。
そのため、いつまでも考えてしまうのは、単なる神経質さや執着心とは限りません。
理解を完成させようとする認知システムが、まだ仕事を終えていないために起きている可能性があります。
ただし、認知欲求と知能には関連があるというだけで、考え続ける人が必ず高知能であるわけではありません。
また、知能の高い人が全員、未解決の問題にこだわるわけでもありません。
重要なのは、深く理解しようとする能力と、簡単に思考を終わらせられない性質が、同じ根から生まれる場合があるという点です。




























