ラットはチョコを食べながら「おいしい」と鳴いていた、超音波の声をAIが聞き分けた
ラットはチョコを食べながら「おいしい」と鳴いていた、超音波の声をAIが聞き分けた / Credit: 村田航志(福井大学)/名古屋大学 研究成果情報
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ラットはチョコを食べながら「おいしい」と鳴いていた

2026.09.10 13:34:02 Thursday

残業の合間に口へ入れた板チョコのひとかけらに、思わず「うまい」と声がこぼれる。そんな夜。

ラットの超音波の声は場面によって変わり、気持ちを映すと考えられてきました。

名古屋大学と福井大学の研究チームは、この声を手がかりに、食べている最中のラットがどんな声を出すのかを調べました。

これまで知られていたのは、ラットが食べ物を「期待している」ときの声。仲間と遊ぶときや、おいしいものを期待しているとき、ラットは50 kHz帯の高い超音波で鳴きます。

ところが、おいしいものを食べている最中の声を調べた例はほとんどない。

チョコを与える前と後の声を比べると、オスのラットが大好物のチョコを食べている最中にだけ現れる鳴き声が見つかりました。

高さは40 kHz帯とやや低く、鳴いている途中で上がってから下がる、逆U字型と呼べる形です。

研究チームはこれを、新しいタイプの声として報告しています。

では、この声は本当に「おいしさ」と結びついているのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年7月17日に『eNeuro』にて発表されました

ラットはチョコを食べながら「おいしい」と鳴いていた ― 超音波の声からAIが聞き取った食の満足感 ―(名古屋大学 研究成果) https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2026/09/-ai-9.html Ultrasonic vocalizations of rats during mating, play, and aggression (Journal of Comparative Psychology, 2008) https://doi.org/10.1037/a0012889
A Subtype of Ultrasonic Vocalizations during Palatable Food Consumption in Rats Identified by Machine Learning-Assisted Classification https://doi.org/10.1523/eneuro.0356-25.2026
出どころの画像
出どころの画像 / Credit: Medical Xpress

録音と映像を重ね、ふつうのエサとも比べた

録音と映像を重ね、ふつうのエサとも比べた
録音と映像を重ね、ふつうのエサとも比べた / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

食レポの善し悪しは、たいてい声に出る。

研究チームはオスのラットをペアで飼い、防音箱の中で声と行動を記録する。チョコを与える群では、チョコを入れたガラス瓶をケージに入れる前の10分と、入れた後の10分を記録しました。

ペアで飼ったのは、ラットが仲間といるときのほうがよく鳴くからです。

求愛や発情周期の影響を避けるため、使ったのはオスだけ。

録音と映像の時刻を合わせておき、どの声のときにラットが何をしていたかを、後から照らし合わせられるようにしました。

学習用のデータでは、チョコを与える録音に先立って3日間、毎日4粒ほどのチョコを飼育ケージに入れておきました。見慣れない食べ物を警戒して食べない、ということを防ぐため。

分類に使ったのは、機械学習。

声の記録(スペクトログラム)の特徴をもとに、待っている間の声と食べている最中の声とを、AIが高い精度で聞き分けています。

見つかった逆U字型の声は、チョコを食べている行動と時間的に強く対応していました。

ふつうのエサを食べるときと比べると、平らな40 kHzの声は同じくらい出ましたが、逆U字型の声はチョコのときにはっきり多くなりました。

分類が単に時間の経過を拾っただけではないかを確かめるため、別のラットの記録と、チョコを与えない群でも同じ分類を試しています。

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