毒をもつ「ベニテングダケ」

代表的な毒キノコであるベニテングタケ(学名:Amanita muscaria)は、周囲の樹木と外生菌根を形成して互恵的な関係を築いており、森林生態系の維持に重要な役割を担っています。
一方で、ベニテングタケには中枢神経系に作用するイボテン酸およびムシモールという化学物質が含まれており、摂取すると幻覚や錯乱などの中毒症状を引き起こすことがあります。
この毒は死に至るリスクは高くありませんが、精神・神経系に強い影響を与えるため、絶対に食用には適しません。
ただ成長したベニテングタケは直径8〜20センチに達し、真っ赤な傘に白いイボが広がった見た目をしており、いかにも毒キノコらしい姿をしているので、見分けるのは比較的容易です。
そのため野生の動物たちも、多くはベニテングタケ(Amanita muscaria)を本能的に避ける傾向があると言われています。