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Credit: Kenji Suetsugu et al., Frontiers in Ecology and the Environment(2021)
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ニホンリスは毒キノコ「ベニテングダケ」を普通に食べられる

2022.01.07 12:00:56 Friday

毒キノコは、私たち人を含む大半の生き物が手出しできない危険な存在です。

しかし長野県の山林において、ニホンリスが毒キノコとして有名なベニテングタケやテングタケを日頃から常食していることが神戸大学による2021年の研究で明らかになっています。

研究の詳細は2021年12月1日付けで学術誌『Frontiers in Ecology and the Environment』に掲載されています。

「毒キノコ」とニホンリスの関係 ~ ベニテングダケを食べるニホンリス ~(神戸大学) https://research-er.jp/articles/view/106480
Squirrel consuming “poisonous” mushrooms https://esajournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/fee.2443

毒をもつ「ベニテングダケ」

ベニテングタケ
ベニテングタケ / Credit: ja.wikipedia

代表的なキノコであるベニテングタケ(学名:Amanita muscaria)は、周囲の樹木と外生根を形成して互恵的な関係を築いており、森林生態系の維持に重要な役割を担っています。

一方で、ベニテングタケには中枢神経系に作用するイボテン酸およびムシモールという化学物質が含まれており、摂取すると幻覚や錯乱などの中毒症状を引き起こすことがあります。

この毒は死に至るリスクは高くありませんが、精神・神経系に強い影響を与えるため、絶対に食用には適しません

ただ成長したベニテングタケは直径8〜20センチに達し、真っ赤な傘に白いイボが広がった見た目をしており、いかにも毒キノコらしい姿をしているので、見分けるのは比較的容易です。

そのため野生の動物たちも、多くはベニテングタケ(Amanita muscaria)を本能的に避ける傾向があると言われています。

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