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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

新種の肉食恐竜を発見、ヴェロキラプトルの2倍の爪の長さ

2025.08.22 12:00:26 Friday

映画『ジュラシック・パーク』で一躍有名になったヴェロキラプトル

その鋭い爪は観客の記憶に焼き付いています。

しかし新たに発見された恐竜の化石は、そのイメージをさらに凌駕する存在かもしれません。

仏ポワティエ大学(University of Poitiers)の研究者らはこのほど、モンゴルの後期白亜紀の地層から新種の恐竜化石を発見し、 「シュリ・ラパックス(Shri rapax)」と命名しました。

本種はヴェロキラプトルと近縁関係にあり、同程度の大きさでありながら、親指にヴェロキラプトルの2倍もの長さを持つ巨大な爪を備えていました。

研究の詳細は2025年7月13日付で科学雑誌『journal Historical Biology』に掲載されています。

This Deadly Velociraptor Cousin Brandished Giant Razors For Its Thumbs https://www.sciencealert.com/this-deadly-velociraptor-cousin-brandished-giant-razors-for-its-thumbs Newly described Shri rapax hunted with stronger hands than cousin Velociraptor https://www.naturalsciences.be/en/science/news/newly-described-shri-rapax-hunted-with-stronger-hands-than-cousin-velociraptor
A new bird-like dinosaur from the Upper Cretaceous of Mongolia with extremely robust hands supports niche partitioning among velociraptorines https://doi.org/10.1080/08912963.2025.2530148

ヴェロキラプトルの「いとこ」登場

シュリ・ラパックスが生きていたのは、およそ7500万年前から7100万年前にかけてのモンゴルです。

当時ここは砂丘と湖が点在するゴビ砂漠のような環境で、多くの恐竜たちが共存していました。

ヴェロキラプトル・モンゴリエンシスが同じ地層から産出していることから、両者は同時代に生きていた「いとこ」のような関係にあります。

発見された新種化石の画像はこちら

ヴェロキラプトルと同じく体長は頭から尻尾の先までを含めて約2メートル。

しかしシュリ・ラパックスはより頑丈な腕と手を持ち、特に親指の爪は8センチ近くに達する鎌状の刃でした。

これは同程度の体格を持つラプトル類の爪のほぼ2倍。

研究者たちは、指の骨格に発達した筋肉の付着痕が見られることから、獲物をしっかりと掴み、切り裂いたり突き刺したりするのに適していたと推測しています。

また、頭骨はヴェロキラプトルよりも幅広く、咬合力が強かったと考えられています。

こうした特徴は、シュリ・ラパックスがより大型で頑丈な獲物を狙うハンターであったことを示唆しています。

実際、研究者たちは彼らがプロトケラトプスや若いアンキロサウルス類といった、力強い草食恐竜を獲物にしていた可能性を指摘しています。

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