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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
brain

VR空間で1週間「飛び続けた」結果、脳に驚きの変化が起きていた

2026.05.11 17:00:56 Monday

私たち人間には当然ながら、翼がありません。

しかし、もし仮想現実(VR)の中で、腕を動かすたびに背中の翼が羽ばたき、自分の意思で空を飛べるようになったら、脳はその翼をどのように扱うのでしょうか。

中国・北京師範大学(BNU)の研究チームは、VR空間で「翼を使って飛ぶ」体験を1週間行わせることで、人間の脳が本来持っていない身体部位をどこまで受け入れるのか調査。

その結果、訓練後の脳では、翼を見たときの反応が、腕などの上肢を見たときの反応に近づいていたのです。

研究の詳細は2026年5月7日付で学術誌『Cell Reports』に掲載されました。

After flying with virtual wings for one week, the brain learns to accept the impossible https://sciencex.com/news/2026-05-flying-virtual-wings-week-brain.html
Virtual flying experience changes neural responses to seeing wings https://doi.org/10.1016/j.celrep.2026.117320

VRの翼は、脳にとって「ただの映像」ではなかった

私たちは普段、自分の腕や脚を当たり前のように「自分の身体」として感じています。

しかし脳の中では、身体の形や動き、見た目、触覚などの情報が組み合わさることで、「これは自分の身体だ」という表象が形作られています。

今回の研究で注目されたのは、その身体表象がどこまで柔軟なのかという点です。

研究チームは25人の参加者に仮想現実ヘッドセットと腕の動きを追跡するセンサーを装着してもらいました。

参加者が現実世界で肘や手首を動かすと、仮想空間内の翼が羽ばたく仕組みです。

【実際の訓練のイメージ画像がこちら

参加者たちは1週間にわたり、合計4回の訓練セッションを受けました。

訓練では、仮想の鏡の前で翼の姿勢をまねたり、空中のボールを翼ではじいたり、リングをくぐり抜けたりしました。

さらに、翼を打ち下ろして揚力を生み、翼をたたんで空気抵抗を減らすといった、飛行に関わる操作も学びました。

つまりこれは、単に「翼の映像を見ていた」実験ではありません。

参加者は自分の腕の動きによって翼を操作し、その翼を使って空を飛ぶという経験を積んだのです。

次ページ脳は翼を「腕に近いもの」として処理し始めた

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