アオウミガメ
アオウミガメの性別は、卵にいるときの外気温で決まります。
温度が高くなると胚はすべてメス化するので、温暖化によって気温や海水温が上昇している今、メスの割合がかなり増えているのです。
アメリカ海洋大気庁による2018年の研究では、グレートバリアリーフに生息するアオウミガメが、116対1の比率で圧倒的にメスとして生まれていることが判明しました。
こうした性別の変化を「温度依存の性決定(TSD)」と呼び、いくつかの魚類や爬虫類に見られます。
フトアゴヒゲトカゲ
オーストラリアに固有のフトアゴヒゲトカゲもTSDによって性別を決める生き物です。
このトカゲの性染色体は、オスが「ZZ」で、メスが「ZW」となっています。
ところが、気温が高くなると、ZZがZWに切り換わり、メスとして孵化するのです。
これまでの研究で、気温が26度前後なら遺伝子通りに生まれ、36度を超えるとメス化することが分かっています。
ブルーヘッド
ブルーヘッドは、フロリダ近海やメキシコ湾、カリブ海に分布するベラ科の小さな魚です。
サンゴ礁の周りで暮らすコロニーは、青色の頭を持つオス1匹を中心に、黄色い頭のメスがハーレムを作ります。
ところが、このオスが死ぬか行方不明になるかでいなくなると、残ったメスの中で一番大きな個体がオスに変化するのです。
その移行は迅速であり、オスがいなくなって数時間以内に性変化がスタートし、10〜20日以内に完全なオスに変わります。
体色も黄色から青色になり、生殖腺は卵巣から精巣へと変化します。
また、男性ホルモンの一種であるテストステロンが増えることで気性が荒くなり、それまで同性だったメスに求愛行動をし始めるのです。
ネコゼフネガイ
ネコゼフネガイは、エゾフネガイ属の一種で、アメリカ東岸〜メキシコ湾岸に分布します。
彼らの性決定も風変わりで、海底の岩に最初に固着した個体が大きなメスとなります。
その上に、別の個体が次々と積み重なり、一番上の小さな貝がオスになります。
一方で、間に挟まれた貝たちは、オスでもメスでもない中性になるのです。
そして、一番下のメスが死んでしまうと、その上にいた貝が卵巣を発達させて次のメスとなります。
なんだかダルマ落としみたいですね。
クマノミ
クマノミも性転換できることで有名です。
インド洋〜太平洋の熱帯域に広く分布するクマノミは、すべてオスとして生まれます。
彼らは1匹のメスを中心にコロニーを形成しますが、そのメスが死んだり、追い出されたりすると、2番手のオスが性転換してメスに変わるのです。
そのメスは、次に2番手に繰り上がったオスと交配して子孫を残します。
ただし、一度メスに変わると、二度とオスには戻れません。
クマノミは、ブルーヘッドとは反対に、1匹のメスを頭に据えたコロニーで回っているのです。
性転換しているのは基本的に海の生き物だった。
初めて知ったのは、貝も性転換すること。
小学校の時に魚の性転換は習った。
後、クマノミが一度メスになったならもうオスには戻れないというのも初めて知った。
でも、このことは考えれば不思議じゃなかった。
とても理科の授業に役立ちました
大変勉強になりました。
生物への興味も湧き、面白っかたです。