「慣れ」かそれとも「進化」なのか?

公園でベンチに座っていると、足元でパンくずをついばむスズメが、どんどん近づいてくることがあります。
なかには、こちらが立ち上がっても、数メートル先でチラッと見るだけで、なかなか飛び立たない個体もいます。
「昔の鳥はもっとすぐ逃げていたのでは」と感じたことがある人も多いはずです。
じつは「街にすむ動物のからだや行動は、自然の環境とはかなり違う」ということは、世界中で少しずつ分かってきています。
都市ではエサの種類も量も違い、外敵となる動物も変わります。
その結果、くちばしの形が変わったり、体重が変わったり、さえずりの音の高さが変わったりする鳥も報告されています(都市の騒音に負けないように、より高い音で歌うなど)。
また世界各地ではすでに「逃避開始距離」を比較することで「都会の鳥は田舎の鳥より逃げる距離が短い」という結果がたくさん報告されています。
しかしアジアの大都市、とくに東京のような超高密度の街で、複数の鳥をまとめて比べたデータは多くはありませんでした。
もうひとつの大きな疑問は、「この変化はゆっくりした進化なのか」という点です。
もし主に進化なら、都市に長く住んでいる種ほど大胆になっているはずです。
逆に、主に学習なら、都市に来てからあまり時間がたっていなくても変化が見えてくるかもしれません。
そこで研究者は、「東京とその周辺の田舎で、同じ鳥を並べて測ったらどう見えるか」「都市に住みついた時期と、怖がり方の変化には関係があるのか」をはっきりさせようと考えました。
もし通学路や通勤路で見ている鳥たちの“心の安全距離”が、どれくらい都会仕様に書き換えられているのかが見えてきます。
それは、人と野生動物がこれからどう距離を取って生きていくかを考える、重要なヒントになるはずです。























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