クジラの脳が大きいのはどうして?
クジラとイルカは地球上で最も大きい脳を持っています。
脳の重さは8kgを越えることもあり、平均的な人間の脳の6倍以上もあるのです。
しかしこれまでの調査により、クジラやイルカの大きな脳には人間のような思考プロセスや多様性、柔軟性、適応性がないと分かっています。
つまり彼らの大きな脳は知能を増すものではなかったのです。
では、その大きさは何のためにあるのでしょうか?
新しい研究では、クジラやイルカの大きな脳が「熱生成」に特化していると判明。
Manger氏によると、「すべての哺乳類の脳は、体の熱生成メカニズムとは別に熱を生成しており、その熱は神経細胞の効率的な機能のために欠かせません」とのこと。
しかし「水中の哺乳類は、空気中と比べて90倍の速さで熱を奪われます」とも付け加えています。
冷たい海中で暮らすクジラやイルカにとって、通常の熱生成では対応しきれないのです。
ところが、彼らの脳は熱生成システムを装備した特注製であり、脳活動が大きく低下することはないと判明しました。