「茶色い卵は栄養価が高い」は本当か?
「茶色い卵は栄養価が高い」は本当か? / Credit: jp.depositphotos
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「茶色い卵は栄養価が高い」という説には科学的根拠がなかった

2021.09.18 Saturday

皆さんはスーパーで卵を買う時、「白い卵」と「茶色い卵」のどちらを買っていますか?

巷では「茶色い卵の方が栄養価が高い」という説が、まことしやかに囁かれています。

しかし、この説を裏付ける科学的な根拠はありません

ノースカロライナ州立大学(North Carolina State University:NCSU)のケン・アンダーソン氏は「白い卵と茶色い卵は、味も栄養価も基本的には同じ」と話します。

では、どうして茶色い卵の方が健康に良いと言われているのでしょうか?

 

ARE BROWN EGGS HEALTHIER? SCIENCE DEBUNKS A PERVASIVE MYTH https://www.inverse.com/science/brown-eggs-versus-white-eggs

「茶色い卵が良い」という神話は、どこで生まれた?

卵の色はどうやって決まるのでしょうか。

アンダーソン氏によると、これはニワトリが食べたものではなく、主に品種に起因するとのこと。

大まかな識別としては、羽毛が白や淡色系のニワトリは白い卵を産み、赤茶や黒色系のニワトリは茶色い卵を産みます

中には、南米原産のアローカナのように、水色の卵を産む品種もいます。

アローカナの水色卵(中央)
アローカナの水色卵(中央) / Credit: ja.wikipedia

そして、「茶色い卵の方が栄養価が高い」と言われるようになった原因は、一般に、茶色い卵の方が白い卵より値段が高いからです。

値段の高い食材の方が、味も良くて栄養に優れていると考えるのは自然なことですよね。

しかし実際には、白い卵と茶色い卵とで、栄養価が変わることはありません。

では、なぜ茶色い卵の方が値段が高いのでしょう?

それは、茶色い卵を産むニワトリの品種が、おしなべて体格が大きく、エサをよく食べるからです。

歴史的に見て、白い卵を産む品種は、体が小さく、エサの量も少なくて済みました。そのため、飼育も比較的容易かつ、安いコストで大量の卵を生産できます。

ところが、茶色い卵を産む品種は、体も大きく、エサも良く食べるため、卵一個あたりのコストが白い卵より高くなっていたのです。

それにより、生産者も茶色い卵の値段を少し高めに設定して売らなければ、とても商売になりません。

茶色い卵は生産コストがかかる
茶色い卵は生産コストがかかる / Credit: jp.depositphotos

以上が、「茶色い卵の方が栄養価が高い」という通説を産んだ大元の原因です。

しかし、これらはあくまでも生産プロセスにおける話であって、科学的な証拠ではありません。

「体も大きくて、エサをよく食べるニワトリの方が、栄養価の高い卵を産むのではないか?」とも十分に考えられます。

そこで研究者らは、白い卵と茶色卵の栄養価の違いを科学的に調べることにしました。

次ページ白と茶色で栄養価に差はない

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