「茶色い卵が良い」という神話は、どこで生まれた?
卵の色はどうやって決まるのでしょうか。
アンダーソン氏によると、これはニワトリが食べたものではなく、主に品種に起因するとのこと。
大まかな識別としては、羽毛が白や淡色系のニワトリは白い卵を産み、赤茶や黒色系のニワトリは茶色い卵を産みます。
中には、南米原産のアローカナのように、水色の卵を産む品種もいます。
そして、「茶色い卵の方が栄養価が高い」と言われるようになった原因は、一般に、茶色い卵の方が白い卵より値段が高いからです。
値段の高い食材の方が、味も良くて栄養に優れていると考えるのは自然なことですよね。
しかし実際には、白い卵と茶色い卵とで、栄養価が変わることはありません。
では、なぜ茶色い卵の方が値段が高いのでしょう?
それは、茶色い卵を産むニワトリの品種が、おしなべて体格が大きく、エサをよく食べるからです。
歴史的に見て、白い卵を産む品種は、体が小さく、エサの量も少なくて済みました。そのため、飼育も比較的容易かつ、安いコストで大量の卵を生産できます。
ところが、茶色い卵を産む品種は、体も大きく、エサも良く食べるため、卵一個あたりのコストが白い卵より高くなっていたのです。
それにより、生産者も茶色い卵の値段を少し高めに設定して売らなければ、とても商売になりません。
以上が、「茶色い卵の方が栄養価が高い」という通説を産んだ大元の原因です。
しかし、これらはあくまでも生産プロセスにおける話であって、科学的な証拠ではありません。
「体も大きくて、エサをよく食べるニワトリの方が、栄養価の高い卵を産むのではないか?」とも十分に考えられます。
そこで研究者らは、白い卵と茶色卵の栄養価の違いを科学的に調べることにしました。