脳は翼を「腕に近いもの」として処理し始めた
では、この仮想の飛行体験は脳に何を起こしたのでしょうか。
チームは訓練の前後で、参加者の脳活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で調べました。
特に注目したのは「後頭側頭皮質」と呼ばれる領域です。
ここは視覚情報の処理に関わる場所で、身体部位や身体の形を認識するうえでも重要な役割を持っています。
訓練後、参加者が翼の画像を見たとき、この後頭側頭皮質の反応に変化が見られました。
とくに興味深いのは、翼を見たときの神経活動パターンが、腕などの上肢を見たときの反応に近づいていたことです。
翼は本来、人間の身体には存在しません。
それでも、仮想現実の中で「自分の動きに合わせて動き、空を飛ぶために使うもの」として何度も操作すると、脳はそれを単なる鳥の翼や物体としてではなく、身体を動かすための部位に近いものとして扱い始めた可能性があります。
さらに研究では、視覚的に身体を処理する領域と、運動や触覚に関わる脳領域とのつながりも強まっていたことが示されました。
これは、脳が「翼を見ること」と「身体を動かし、感じること」を結びつける方向に変化していたことを示唆します。
もちろん、この結果は「人間の脳が本当に翼を自分の身体として完全に受け入れた」という意味ではありません。
確認されたのは、1週間の訓練後に、翼を見たときの脳活動が上肢に近いパターンへ変化したということです。
それでも、この発見は大きな意味を持ちます。
なぜなら、脳が生まれつき持っていない身体部位であっても、機能的に使う経験を重ねれば、その部位を身体表象の中に取り込む方向へ変化し得ることを示しているからです。
将来的には、このような知見が高度な義肢やロボットアームなどの支援技術にも応用されるかもしれません。
脳が人工的な装置を「身体の延長」としてより自然に扱えるようになれば、義肢の操作性や使用感を高める設計につながる可能性があります。
私たちの身体感覚は、思っているほど固定されたものではないのかもしれません。
仮想の空を飛んだ1週間は、脳にとって「ありえない翼」を学ぶための、現実のトレーニングになっていたのです。




























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