バラの香りが脳を変える?実験の舞台裏

研究を行ったのは、京都大学と筑波大学の研究チームです。
彼らは「アロマセラピー」と呼ばれる香りの健康効果に注目しました。
アロマセラピーは植物から抽出した精油を用いて心身を整える伝統的な方法で、リラックスや気分の改善に役立つとされてきました。
しかしこれまでの多くの研究は、香りを一時的に嗅いだときの脳の反応を調べたものでした。
香りを「長期間嗅ぎ続けたとき」に脳の構造そのものが変化するかどうかは、ほとんど分かっていませんでした。
そこで研究者たちは、健康な41~69歳の女性50人を対象に実験を実施。
参加者を2つのグループに分け、一方には「バラの精油(0.5%に希釈)」を、もう一方には「水」をそれぞれ衣服に1日2回滴下して1か月間過ごしてもらったのです。
つまり、日常生活の中で自然に香りを吸い続けるように仕掛けたわけです。
実験の前後には磁気共鳴画像(MRI)で脳をスキャンし、灰白質(神経細胞の集まりで、記憶や思考に深く関与する領域)の体積を比較しました。