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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

【頭が2つ】激レアすぎる1億2500万年前の「双頭トカゲ」の化石

2025.10.09 17:00:14 Thursday

地球にはこれまで、想像を超えた生き物が数多く登場してきました。

その中でも、現代の私たちが最も驚かされるのは「ありえない」姿をした古生物の存在です。

その古生物の化石は2006年、中国・遼寧省で発見されました。

なんと、それは1億2500万年前の地層から見つかった「頭が2つ」あるトカゲのような爬虫類だったのです。

通常の個体でも全身が化石として残るのは珍しいのに、双頭の個体が化石化するのは前代未聞のことでした。

この発見の報告は2006年12月に科学雑誌『Biology Letters』に掲載されています。

 

Check Out This “Truly Exceptional” Fossil Of A Two-Headed Reptile That Lived 125 Million Years Ago https://www.iflscience.com/check-out-this-truly-exceptional-fossil-of-a-two-headed-reptile-that-lived-125-million-years-ago-81076

超レア現象「バイセファリズム」の化石化

今回見つかった双頭の化石は、学術的には「バイセファリズム(bicephalism)」という、いわゆる“多頭性”の一例です。

バイセファリズムは、発生段階で胚の体軸が分かれてしまうことで、1匹の個体に2つの頭や首が生じる現象とされています。

現代でも、ごく稀に双頭のヘビやカメ、トカゲなどが生まれることが報告されていますが、ほとんどの場合、通常個体ほど長く生き残ることはできません。

しかし、化石記録において「双頭」の生物が見つかることは、さらに稀な奇跡です。

【実際の化石の画像がこちら

そもそも化石になるには「ちょうどいい条件下で死ぬ」ことが求められ、保存状態も厳しく選ばれます。

例えば、死んだ直後に泥の中に飲み込まれて、低酸素状態に置かれ、微生物などによって分解されないことなど。

そのため、通常の姿ですら化石化は難しいのに、“発生異常”を持った個体が化石となり、現代まで残る確率は天文学的に低いといえるかもしれません。

論文では、この化石は「コリストデラ目(Choristodera)」と呼ばれる古代爬虫類の仲間の幼体で、肩のあたり(肩帯)で体軸が2つに分かれ、それぞれに首と頭がついていたことが詳細に記載されています。

胚か新生児段階の極めて小さい個体(体長7cmほど)だったため、大人になる前に命を落としたと考えられています。

化石は薄い堆積物に包まれ、骨の配置や堆積物の付き方から「人為的な改変や捏造」ではないことも慎重に検証されました。

次ページなぜこんな個体が誕生し、化石として残ったのか?

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