質問が少ない人 vs 質問が多い人
私たちは初めての人と会話をするとき、自分自身についてよく話す傾向を持っています。
いわゆる自己開示で、これは自分のことを知ってもらうことで、相手からの好感度を高めようとする戦略の1つといえます。
こうした会話を通じて自身の印象を高める方法は、交友関係を広げる際にも重要なことですが、面接や交渉の際にも重要なテクニックになります。
しかし自ら自分のことばかりを話すことが、相手からの好感度を高める最適の戦略ではない可能性があります。
では会話の中で相手の印象を良くしようと考えた場合に、他にどのような方法が考えられるでしょうか?
今回の研究チームは、こうした観点から会話の戦略とその効果について目を向けました。
チームが着目したのは「相手の発言を引き出すような質問」が会話の中でもたらす効果についてです。
ただ、質問が相手からの好感度に及ぼす影響を調べた研究はわずかであり、十分な調査報告はありません。
そこでアメリカのハーバード大学のカレン・ファン氏(Karen Huang)らの研究チームは、会話中の質問頻度や種類が相手の印象にどう影響を与えるか調査を行いました。
この研究にはオンラインで募集した398名が参加しました。
この実験では、まず参加者を半数に分け、以下の異なる指示を与えました。
質問が少ないグループ:質問を4回以下に留める
質問が多いグループ:質問を10回以上する
こうした指示を与えたうえで、何も実験的指示を受けていない、残り半数の参加者とペアになって15分間オンラインチャットで会話をしてもらいました。
参加者は全員、実験者から「お互いの興味関心を知り、仲良くなってください」という指示を受けています。
会話終了後、会話相手に対する好感度と、相手が自分にどれだけ好感度を抱いているか予測してもらいました。
さて会話中の質問回数によって相手からの好感度は変わるのでしょうか。