「嘲笑的な教育」で感情がコントロール不全に
研究チームは、思春期の少年少女1409人を対象に、七年生から九年生(13歳〜15歳)の3年間にわたって追跡調査を行いました。
その結果、いじめの加害者や、同級生との不和を起こす生徒のほとんどが、子どもを頻繁に「からかう」など、冷笑的・敵対的な態度で接する親をもつことが分かりました。
しかも、その親の多くは、子どもが反発的・挑発的な態度を取っていないにもかかわらず、心身ともに攻撃的な態度を取っていたのです。
日々、親から批判や皮肉の言葉を受け続けた子どもたちは、感情的な機能不全に陥り、怒りのコントロールができなくなっていました。
感情コントロールの障害は、思春期のメンタルヘルスにとって実に危険なもので、ネガティブな感情の悪循環を招いてしまいます。
これが深刻化すると周囲への敵意が増長し、次第に攻撃性な態度を示すようになって、人をいじめることでしか発散できなくなるのです。