睡眠が短い子どもの脳にはどんな特徴があるのか
睡眠不足と聞くと、翌日の眠気や集中力の低下を思い浮かべるかもしれません。
しかし、脳が発達途中にある子どもでは、睡眠時間の違いが脳内の情報のやり取りにも関係している可能性があります。
脳では、離れた場所にある複数の領域がネットワークを作り、互いに連動しながら働いています。
研究では、安静にしているときの脳をfMRIで調べ、各領域の活動がどの程度一緒に変化するかを見ることで、この「脳のつながり方」を測定できます。
これまでにも睡眠時間と脳のつながりとの関連は報告されてきましたが、多くはある一時点だけを比較した研究でした。
そのため、睡眠が短いから脳が変わるのか、それとも、もともとの脳の特徴が睡眠時間に関係しているのかは、よく分かっていませんでした。
そこで研究チームは、米国の大規模な青少年追跡研究「ABCD研究」のデータを利用して、短時間睡眠の影響をもっと詳しく調査することにしました。
まず11〜12歳の2991人について、保護者と本人による睡眠時間の報告に加え、Fitbit(腕時計型の活動量計で睡眠時間や体の動きを記録できるデバイス)による計測も組み合わせ、安静時fMRIから脳全体のつながりを解析しました。
すると、睡眠時間が短いほど現れやすい特徴的な脳ネットワークのパターンが特定されました。
さらに、このパターン作成には使っていない別の1574人について、9〜10歳時点と約2年後の11〜12歳時点を比較。
この縦断分析ではベースラインにFitbitなどのデータがなかったため、睡眠時間の変化には保護者による報告が用いられています。
その結果、2年間で睡眠時間が減った子どもほど、「短時間睡眠に特徴的な脳パターン」が強くなっていました。
では、具体的に脳のどこで、どのような変化がみられたのでしょうか。
より詳しい結果を次項で見ていきます。
































