言葉が得意な子ほど「衝動性」が強め? 5138人を調べて分かったこと

研究を行ったのは、中国の北京大学第六医院で働く精神科医、ルー・リウ氏とチウジン・チエン氏らのチームです。
対象は、6歳から16歳でADHDと診断された子ども5138人です。
ADHDは、集中が続かない「不注意」や、じっとしていられない「多動」、あとのことを考えずに動いてしまう「衝動性」といった特徴が見られる、脳の発達にかかわる特性です。
子どもたちは決まった形式の知能検査を受け、ADHDの症状は保護者が評価の用紙に答えて点数にしました。
この研究のポイントは、IQを中身ごとに分けて見たことです。
全体のIQは、大きく2つの部分からできています。
1つは「言語性IQ」で、言葉を使って考える力や、知っている言葉の多さ、話を理解する力をはかります。
もう1つは「動作性IQ」で、形や空間をとらえる力、パターンを見つける力、目で見るパズルを解く力など、言葉を使わない力をはかります。
まず全体のIQで見ると、IQが高い子ほどADHDの症状は全体として少なめでした。
ここまでは、多くの人の予想どおりです。
ところが言語性IQに注目すると、高い子ほど不注意は少ない一方で、衝動性の点数は高くなっていました。
研究チームはこれを「もろ刃の剣」のような効果と呼んでいます。
言葉の力は、集中の面では困りごとが少ない側に、衝動の面では多い側に結びついていたわけです。
ただし、この研究は子どもたちの様子を調べて傾向を見る「観察研究」です。
言語性IQが高いから衝動的になる、という原因と結果の関係までは示されていません。
また調べたのはADHDと診断された子どもたちなので、ADHDではない子にそのまま当てはまるとは言えません。
では研究チームは、この関係をどうやって確かめ、どこまで説明できたのでしょうか?




























