ヤギの瞳孔が四角いのは、肉食動物から逃げるため
実は、ヤギの水平方向に伸びた四角い瞳孔は、羊や鹿、馬などの草食動物に共通するものです。
例えば馬も四角い瞳孔をもっていますが、瞳孔周囲の黒目に当たる部分「虹彩(こうさい)」の色が濃いため、瞳孔の形が目立ちません。
逆にヤギの虹彩は薄い黄土色なので、瞳孔の形が特に目立ってしまうのでしょう。
さて、草食動物の瞳孔が横長で四角い理由は、彼らの視野を体感することで簡単に理解できます。
まず、人間の丸い瞳孔による視野をご覧ください。
続いて、ヤギの横長瞳孔による視野をご覧ください。
どちらも同じ位置から同じ方向を眺めていますが、ヤギの瞳は広い視野が得られていますね。
人間であれば頭を動かさなければいけない場合も、ヤギがもつパノラマ映像にかかれば、一瞬で把握可能です。
しかも草食動物たちは目が頭の横にそれぞれついていますので、横長瞳孔と合わせて約360°の視野を確保できます。
つまり、ヤギの瞳孔が四角いのは肉食動物の接近を素早く発見し逃れるためだったのです。
とはいえ、食事のために頭を傾けるならせっかくの視野が制限され、逆に四角い瞳孔が弱点となります。
ヤギたちはこのような問題にどう対処しているのでしょうか?