オーソドックスな「隠ぺい擬態」
最もたいせつな点は、敵に見つからないことです。
小さな虫たちは元から隠れるのが得意ですが、さらにこれを押し進めて、その場の環境に同化する技術を身につけました。
その代表が「コノハムシ」です。
彼らはからだを葉っぱそっくりに進化させ、葉脈や枯れ具合までこまかく再現しています。
木々にまぎれてジッとしているので、動かないかぎり見つけることはできません。
また、「トビモンオオエダシャク」というガの幼虫は、枝に擬態するスペシャリストです。
見た目だけでなく、葉っぱを食べることでその成分を取り込み、体表面の成分も枝に似せています。
こうしたモノマネが「隠ぺい擬態」です。
基本的には天敵から隠れるためのものですが、中には獲物をおびきよせるために隠ぺい擬態をするものもいます。
「ハナカマキリ」です。
彼らはからだを花そっくりにすることで、小さな昆虫を惹きつけるように進化しました。
このように自然の中に溶け込んでいれば、敵に襲われるリスクも低くなります。
しかし、虫たちもエサを食べないと死んでしまうので、ずっと隠れているわけにはいきません。
そこで昆虫は新しいモノマネの方法を編み出しました。
それを次に見ていきましょう。