農業は、人類をバラバラではなく「似た方向」へ動かした

古代人のDNA研究というのは最近になってようやく力を発揮しはじめた分野です。
この分野では、昔に生きていた人たちのDNAを遺骨などから収集して直接読み取り、時系列順に並べることで、過去の進化を「リアルタイム」で追うことができます。
化石から古代人の暮らしぶりを想像するのに似ていますが、こちらはもっと直接的に遺伝子という生き物の設計図の変化を追えるわけです。
今回、研究チームは過去1万年ほどの間に生きたアフリカ、東アジア、南アジア、ヨーロッパ、そして中南米の5つの地域にわたる古代人に加えて、現代人の合計7244人分のDNAデータを解析しました(古代人5535人、現代人1709人)。
これまでの古代DNA研究の多くはヨーロッパを中心に進んできましたが、この研究は規模と地域を大幅に広げ、広い地域をまたいで人類進化の傾向を比較したという点で画期的です。
解析の結果、チームはなんと31個もの「強い進化のシグナル」を発見しました。
「進化のシグナル」とは、簡単に言うと、特定の遺伝子が自然淘汰によって急速に広まったことを示す痕跡のようなものです。
たとえばある環境で「筋力が強いと生き延びやすい」ならば、その種に対して筋力が強くなる方向へ遺伝子が変化していき、それ以前との比較で変化した部分が「進化のシグナル」として検出できるわけです。
しかし人類の解析結果はもっと意外なものでした。
驚くべきことに、みつかった進化のシグナルの多くが、異なる大陸の間で共通していました。
たとえばヨーロッパと東アジアという全く異なる場所で同じ遺伝子が広がっていたのです。
特定の遺伝子タイプを持つ人が増えるということは、その遺伝子を持つことが生存において有利に働く自然淘汰が発生した可能性を示します。
つまり遠く離れた地で、人類に対して似たような淘汰を起こす「環境」が出現した可能性を示唆します。
といっても、ヨーロッパと東アジアが「巨大などこでもドア」で接続されたり、ヨーロッパと東アジアの環境が謎のリンクを始めた、という話ではありません。
研究者たちは有力な説明のひとつとして、約1万年前から世界各地で始まった「農業」を挙げています。
農業が始まると人々はそれまで狩猟や採集を中心に暮らしていた状態から定住し、作物を栽培し、家畜を育てるようになります。
この変化は食べ物の種類や栄養バランスだけでなく、人の数や病気の流行、人と人との関係性までを大きく変えました。
例えば、農業が始まると人が集まって村や町をつくり、人口密度が高まることで感染症が広がりやすくなる、という具合です。
また、狩猟生活で動物の肉が中心だった食事が植物中心の食事に変われば、それに適応した遺伝子が有利になるでしょう。
つまり農業は、人類にとって「暮らし方の大変革」であると同時に、遺伝子に刻まれる「進化の圧力」となっていたわけです。

遠く離れた地域に住む異なる集団で、似た環境への適応の結果として、同じ遺伝子や似た機能に選択がかかったという意味では、遺伝子レベルの「収れん進化」に似た現象と言えます。(※より厳密には並行進化あるいは「共有された適応」という言葉が当てはまります)。
研究チーム側はさらに、今回の研究が「これまでで最も詳細な人類進化の知見」だと強調しています。



























![大人のさらさ 洗濯洗剤 ジェル 1900g シルクエッセンス効果で高保湿 ホワイトティー&フローラルの香り 詰め替え [大容量]](https://m.media-amazon.com/images/I/41G92luj2YL._SL500_.jpg)


![よーく聞いてね!3つのヒントで学ぶ!どうぶつカード ([バラエティ])](https://m.media-amazon.com/images/I/51zT3OcliFL._SL500_.jpg)






















