現状を維持するための「進化」も起きていた

今回の研究でもうひとつ非常に面白かったのが、人間の体型に関する発見です。
研究チームは、身長や体重、骨の強さなど、体のさまざまな特徴に関わるたくさんの遺伝子をまとめて調べました。
こうした特徴は、一つの遺伝子だけで決まるものではありません。
実際には、多くの遺伝子がそれぞれ少しずつ影響し合い、体の特徴を形づくっています。
その中でも今回とくに目を引くのが、女性の「ウエストとヒップの比率」です。
これは、腰の細さとお尻の大きさのバランスを見る目安です。
研究では、この比率に人類全体で共通する「安定化選択」が見つかりました。
これは、どちらか一方へどんどん進むのではなく、極端になりすぎない中くらいの範囲を保とうとする進化です。
では、なぜ中くらいを維持するという進化が続いたのでしょうか?
農業が始まると、食べ物の中身、住み方、病気の広がり方、子どもを産み育てる条件が大きく変わりました。
そのため女性の体は、妊娠や授乳に使えるエネルギーを持ちながら、お腹まわりの脂肪が増えすぎて健康を崩さないという、むずかしい両立を求められた可能性があります。
実際、別の研究では、ウエストとヒップの比率が高すぎる、つまりお腹まわりに脂肪が寄りすぎる体型は、妊娠しにくさや代謝の不調と関係しやすいと報告されています。
反対に、お尻や太もも側の脂肪は、妊娠や授乳、赤ちゃんの発育に役立つかもしれないと考えられています。
だから進化は、「細ければ細いほどいい」「太ければ太いほどいい」とはせず、赤ちゃんを産む能力と女性本人の健康の両方を保ちやすい“ちょうどいい配分”を残す方向に働いたのかもしれません。
今回の研究チームも、こうした女性の体型の安定化は、妊娠や出産にかかわる体のむずかしいつり合いと深く関係しているとみています。
進化というと、「より強く」「より大きく」「より早く」といった方向だけに向かうイメージがありますが、実は「ほどほど」「ちょうどいいところ」を維持する力も進化の力なのです。
もちろん、この研究で人類進化のすべてが解明されたわけではありません。
研究者自身も、まだデータが不足している地域があり、本当はもっとたくさんの遺伝子の変化があるはずだと考えています。
それでも、古代の人々のDNAを直接調べることで、進化がどのように進んできたのか、その「途中経過」までわかるようになったのは大きな進歩です。
農業の開始、食生活の変化、病気との戦い——
こうした大きな変化が、私たちのDNAにどのように刻まれてきたのか。
今回の研究は、その秘密を世界規模で解き明かすための、大きな一歩を踏み出したといえるでしょう。



























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