仲間を丸ごと飲み込む「巨大ハンター」になる
今回見つかった新種、ユープロテス・ギガトロックス(Euplotes gigatrox)は、繊毛(せんもう)虫と呼ばれる単細胞の微生物です。
繊毛虫とは、体の表面にある細かな毛のような構造「繊毛」を使って移動したり餌を集めたりする生き物で、身近な例ではゾウリムシもこの仲間に含まれます。
ユープロテス属の繊毛虫は、単細胞でありながら、非常に整った体の構造を持っています。
繊毛は、水流を起こして餌を集めたり、泳いだり、地面を歩くための脚のように使われたりします。
研究チームは今回、キュラソー島の海水ろ過システムからこの新種を採集しました。
ふだんのE・ギガトロックスは、細菌などの小さな餌を水流で集めて食べる、いわば「ろ過摂食」を行っています。
ところが、クローン集団の中では、ごく一部の細胞が自発的に通常の2倍以上の長さを持つ超巨大体へと変化することがわかりました。
通常細胞の長さが平均約54マイクロメートルだったのに対し、超巨大体は平均約138マイクロメートルに達していました。
体は幅広くなり、口にあたる摂食構造も大きくなります。
そして最も奇妙なのは、食べる相手です。
超巨大体は細菌を集めて食べるのではなく、自分と同じDNAを持つ小さな仲間の上を走るように移動し、そのまま丸ごとのみ込んでしまいます。
実際の映像がこちら。音声はありません。
観察では、最大でおよそ10分に1匹のペースで仲間を捕食していました。
つまりこの微生物は、状況によって「小さな餌をこし取る細胞」から「仲間を狩る巨大な捕食者」へと、姿も食性も大きく切り替えていたのです。

























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