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7000年前の狩猟採集民は、魚を湖に放流していた / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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7000年前の狩猟採集民は山岳湖に魚を放流、「漁場」にしていた

2026.07.21 11:30:44 Tuesday

畑を耕し、家畜を育てる農耕社会が生まれてから、人類は自然を積極的に管理するようになったとしばしば考えられてきました。

しかし約7000年前のノルウェーでは、狩猟採集民が、本来は魚のいなかった山岳湖へブラウントラウトを運び入れ、長く利用できる漁場を作っていたと考えられます。

この発見は、将来の食料を確保するための計画的な環境管理が、農耕の開始以前にも行われていたことを示すものです。

ノルウェーのオスロ大学(University of Oslo)による研究は、2026年7月20日付で学術誌『Antiquity』にオンライン掲載されました。

Centuries before farming, hunter-gatherers introduced fish to the Norwegian mountains https://phys.org/news/2026-07-centuries-farming-hunter-fish-norwegian.html
The introduction of fish to the Scandinavian mountains by hunter-fisher-gatherers 5000 BC https://doi.org/10.15184/aqy.2026.10392

魚が自然に入れない湖で、約7000年前の漁具を発見

最終期、ノルウェー内陸部の大部分は氷床に覆われており、現在山岳湖となっている場所にも淡魚は生息できませんでした。

紀元前8000年頃までに氷が後退すると、人々と魚は内陸へ広がりましたが、一部の水系では急流や滝が壁となり、魚は高地まで自然に遡上できませんでした。

研究対象となったテッセ湖は、ノルウェー南部の山岳地帯にある海抜約854mの湖です。

歴史的には下流域に約25種の魚がいた一方、上流域で知られていたのはブラウントラウトだけでした。

そのため、山岳部の魚は人間が運んだと考えられていましたが、それがいつ始まったのかは不明でした。

ところが2022年、貯水池となったテッセ湖の水位が下がった湖底から、木製の定置式の漁具が発見されます。

研究チームは4基の漁具を発掘し、113点の木材試料を回収しました。

そのうち73本を漁具の杭と判断し、樹種の観察、放射性炭素年代測定、年輪年代学を組み合わせて年代を調べました。

保存状態の悪い一部の杭では、樹脂で固めた薄片やCT画像から年輪を測定しています。

その結果、最古の漁具は紀元前4950年頃で、別の漁具も紀元前5000年頃に位置づけられました。

さらに紀元前3850年頃と紀元前2700年頃の漁具も確認され、少なくとも約2300年にわたる複数の時期に、湖で漁具が築かれていたと分かりました。

これは、ブラウントラウトが遅くとも紀元前5000年頃までには湖へ導入され、漁獲できるほど増えていたことを意味します。

では、漁具の年代から、なぜ魚の放流まで分かるのでしょうか。

その詳しい根拠を次項で見ていきます。

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