画像
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
animals plants

イルカ大量座礁事件の裏にいた真犯人は「ヤツ」だった

2026.03.12 18:00:37 Thursday

海岸に何十頭、ときには何百頭ものイルカが打ち上げられる「大量座礁」。

世界各地でときおり報告されるこの不思議な現象は、長いあいだ科学者たちを悩ませてきました。

病気で弱っていたのか。

人間活動による混乱なのか。

あるいは潮の流れに閉じ込められたのか。

しかし近年、南米パタゴニアで起きた事件の調査から、意外な“真犯人”が浮かび上がってきました。

それは人間でも環境汚染でもなく、海の頂点捕食者「シャチ」だったのです。

研究の詳細は2026年3月11日付で学術誌『Royal Society Open Science』に掲載されています。

Dolphin mass strandings in Patagonia linked to killer whales https://phys.org/news/2026-03-dolphin-mass-strandings-patagonia-linked.html
Exploring mass strandings of common dolphins: a response to predator encounters? https://doi.org/10.1098/rsos.250870

パタゴニアで起きた「謎の大量座礁」

問題の事件は、アルゼンチン北部パタゴニアにあるサン・アントニオ湾で起きました。

2021年、この湾の浅瀬に多数のマイルカが座礁し、52頭が死亡しました。

研究チームはそのうち38頭を解剖して原因を調査しています。

さらに2023年にも同じ地域で、今度は約570頭ものイルカが浅瀬に入り込み座礁しました。

ただしこのときは救助活動により、すべての個体が海へ戻されています。

イルカの大量座礁は世界でも知られていますが、その原因ははっきりしていません。

【湾に逃げ込むイルカの群れの画像がこちら

これまで提案されてきた理由には次のようなものがあります。

・病気や体調不良

・音や磁場による方向感覚の混乱

・漁業や船舶など人間活動の影響

・潮の満ち引きによる閉じ込め

そこで研究者たちは、2021年の個体を詳しく調べました。その結果、意外な事実が判明します。

座礁したイルカたちは健康状態が良好だったのです。

病気の兆候はなく、船や漁網による傷も見つかりません。栄養状態も悪くありませんでした。

つまり、「弱って浅瀬に迷い込んだ」という説明は当てはまらない可能性が高かったのです。

では、彼らはなぜ危険な浅瀬へと入り込んだのでしょうか。

次ページイルカを浅瀬へ追い込んだ「海の頂点捕食者」

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

動物のニュースanimals plants news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!