少しの睡眠不足が少年の脳に何をもたらすのか
大人も子どもも、日常的に寝る時間を短くしてしまいがちです。
何かに夢中になっていると、「15分くらい」「30分くらい」と睡眠時間を削ってしまうかもしれません。
寝ようと思えば寝れるのに、日常的に就寝時間が遅れてしまっている人も少なくないはずです。
また思春期には、生物学的なリズムのずれや社会的要因により、睡眠時間が短縮することが知られています。
しかし、このような睡眠習慣の変化や違いが脳の構造や機能にどのように影響するのかは、十分に解明されていませんでした。

そこで今回、研究チームは、9~14歳の3,222人の若者を対象に、睡眠パターンを記録し、脳スキャンや認知機能テストの結果と比較しました。
その結果、若者たちは大きく3つのグループに分類されることが分かりました。
睡眠習慣が悪いグループ(平均睡眠時間は7時間10分)は、参加者の39%を占め、就寝時刻が最も遅いにもかかわらず、起床時刻は最も早い傾向がありました。
睡眠習慣が中間のグループ(平均睡眠時間は7時間21分)は、参加者の24%を占め、睡眠特性全般において平均レベルでした。
睡眠習慣が良いグループ(平均睡眠時間は7時間25分)は、参加者の37%を占め、最も早く就寝しており、睡眠中の心拍数も低い傾向がありました。
睡眠習慣が悪いグループと良いグループの平均睡眠時間の違いはたったの15分です。
それでも、脳機能には明らかな違いができました。