夜型が抱える「孤独」と「不安」、社会のリズムから外れる苦しみ

まず、夜型タイプの人々がどのようなリスクを抱えているのか、研究の発表内容から見ていきます。
ポーツマス大学の研究チームは今回、18~25歳の若者407人を対象に、生活リズム(朝型・夜型)とスマホ・SNSへの依存傾向の関係を調査しました。
その結果、夜型タイプの若者は、
・「スマホが手元にないと不安になる」
・「通知が来るたびに強迫的にチェックしてしまう」
・「SNSの利用が日常生活に支障をきたしている」
といった問題的なテクノロジー利用に、朝型よりもはるかに陥りやすいことが判明しました。
さらに重要なのは、その背景に「強い孤独感」と「不安感」が横たわっていたことです。
夜型タイプの人は、学校や職場など社会全体の“標準リズム”からズレがちで、昼間に周囲と活動時間を合わせづらい傾向があります。
そのため、
・人との交流が減りやすい
・疎外感や社会的孤立を感じやすい
・夜遅い時間には頼れる相手がいなくなり、孤独が深まる
という状態になりやすいのです。
実際、研究者たちは「夜型傾向の強い若者ほど、社会的な“時差ボケ”状態になりやすく、そこから生じる孤独感や不安感が深刻になりやすい」と指摘しています。
この「社会のリズムから外れるストレス」と「心の不安・孤独」は、夜型タイプの人たちの生活に、静かに、しかし確実にダメージを与えていたのです。