アイソメトリック運動とは?
アイソメトリック運動とは、日本語で「等尺性筋収縮」を意味します。
これは一言でいうと、ある特定の筋肉を収縮させた状態のまま動かさずに一定時間、保持する運動のことでプランクという名前でも有名です。
この運動のイメージとしては、よく腕相撲が例に挙げられます。
腕相撲では相手との腕の力が拮抗している場合、腕の筋肉が収縮した状態でピタッと動きが止まります。
このように筋肉の長さが変わることなく力が加わった状態が等尺性筋収縮であり、アイソメトリック運動のベースとなる考えです。
また初級・中級・上級に合わせて、豊富なメニューが揃っています。
ここではリストの一例を紹介しましょう。
初級レベル
まず初級では、体幹を鍛えるプランクの簡易バージョンがおすすめです。
「ストレイトアーム・プランク」では、両手をまっすぐ床につき、両足を揃えてつま先を立て、背中から腰、足首にかけて一直線になるように保持します。
このとき、おへそを背中側に引き絞るイメージを持つといいでしょう。
また、この状態から両肘と両膝を床につき、膝から下の足を少し浮かせば「ニー・プランク」となります。
続いては「ショルダー・ブリッジ」です。
仰向けになり、両足を肩幅に開いて膝を立て、そのまま腰を浮かします。
胸からお腹、膝までが一直線になるようにキープしましょう。
背筋や腰の筋肉を鍛えて、姿勢の悪さを改善できます。
初級では他にも、中腰の状態で両手を前に伸ばしキープする「スクワット・ホールド」などがあります。
中級レベル
中級の最初は一般的な「プランク」です。
両肘を肩からまっすぐ床に立てるまではニー・プランクと一緒ですが、ここでは両膝をつけずに、つま先を立てて上体をキープします。
背中を反ったり、お腹が下に落ちないように注意しましょう。
続いて「サイド・プランク」です。
横向きになって左右どちらかの肘を床に立て、頭からつま先までまっすぐになるようキープします。
左右両方を行うことで、お腹の横側の筋肉(腹斜筋)がバランスよく鍛えられるでしょう。
ただし肩への負担が大きな動作ですので、肩まわりに問題のある方は別のメニューをおすすめします。
次は「ストレイト・ブリッジ」です。
仰向けの状態で両手を肩からまっすぐ床につき、胸からお腹、足先までが一直線になるようにキープします。
ここでは背中から腰、ハムストリングス(お尻の付け根〜太ももの裏側)にいたる背面の筋肉が全体的に鍛えられます。
上級レベル
最後に上級の一つ目は「ウォール・シット」です。
壁に背中をつけ、両足を少し前に出した状態でゆっくりと腰を沈めていきます。
中腰になった辺りで姿勢をキープしてください。
太ももの表側に大きな負荷がかかる強度の高い動作です。
次は「ホロウ・ボディ」です。
仰向けの状態で両腕を後ろにまっすぐ上げ、両足をお腹より少し上に浮かします。
腹部への強い負荷がかかる動作で、腰への負担が大きいので、腰痛持ちの方は別メニューを選びましょう。
それから「スーパーマン・ホールド」です。
うつ伏せの状態で両腕と両足を少し浮かせて、スーパーマンのような姿勢をキープします。
これにより、腰まわりの筋肉を有効に鍛えることが可能です。
上級では他に、ストレイトアーム・プランクの両手を顔より大きく前方の位置で固定し負荷を高める「エクステンデッド・プランク」などもあります。
具体的なメニュー
アイソメトリック運動の具体的なメニューとしては、このリストから自分の体力に応じて2〜3個を選び、初級者であれば1回の動作で10秒間キープ、中級者であれば20〜30秒キープ、上級者であれば30秒から最大2分キープ。
計2分間でワンセッションとし、休憩を挟みながらこれを2〜4セット行います。
ここで大切なのは「フォームを崩さない」ことと「呼吸を忘れない」ことです。
フォームが崩れると筋肉の長さが変わって効果が得られませんし、呼吸を止めたまま力を入れ続けると血圧が逆に上がってしまいます。
そして研究チームは今回、アイソメトリック運動が血圧低下にどれほど効果があるかを調べました。