長時間のゲーム中に「強炭酸水」を飲むと疲労感が軽減される
eスポーツは、座ったまま行う活動ですが、頭の中ではかなり激しい作業が続いています。
相手の動きを見て、次の展開を予測し、瞬時に判断して操作する。その繰り返しです。
こうした状況では、長く続けるほど、筋肉より先に注意や判断、ミスを抑える力が落ちてくることがあります。
研究者たちが注目したのは、この認知疲労です。
認知疲労とは、頭を使う作業が長く続いた結果、判断が遅くなったり、注意が散りやすくなったりする状態を指します。
しかも厄介なのは、自分ではまだそれほど疲れを感じていなくても、脳の働きはすでに落ち始めている場合があることです。
ゲームだけでなく、勉強やデスクワーク、運転などでも起こり得る現象です。
こうした疲れへの対策として、コーヒーやエナジードリンクがよく使われます。
カフェインや糖分には短期的に覚醒を助ける働きがありますが、日常的に頼りすぎると睡眠や健康への影響が気になります。
そこで研究チームは、糖分もカフェインも含まない強炭酸水に注目しました。
炭酸水は喉や口に刺激を与えます。
この刺激が脳の覚醒に関わる神経の働きを支える可能性が、以前から示唆されていたためです。
実験には、日常的にゲームをする若い成人14人が参加しました。
参加者は別々の日に2回、サッカーゲームのeFootballを3時間プレーします。
片方の日は強炭酸水、もう片方の日は真水を飲みながらプレーし、その違いを比べました。
これは同じ人が両方の条件を体験する方法で、飲み物の違いを見やすくするためです。
飲料は冷やした状態で、合計500ミリリットル飲まれました。
研究では、1時間ごとに「どれくらい疲れたか」「どれくらい楽しいか」を答えてもらったほか、フランカー課題というテストで実行機能を測りました。
さらに、プレー中は瞳孔の大きさ、心拍数、血糖値、唾液中のコルチゾルも調べられています。
こうした実験の結果、強炭酸水を飲んだときのほうが、真水よりも疲労感の増加が小さく、楽しさが高く、実行機能の低下も起こりにくい傾向が見られました。
さらに、プレー中のファール数も少なくなりました。
ただし、得点やシュート、パスなど、攻撃や守備のパフォーマンスそのものが大きく伸びたわけではありません。
強炭酸水は、ゲームをうまくするというより、長時間プレーで起きる頭の疲れを和らげる方向に働いたと見るのが自然です。
それでは、実験のより詳しい結果を次項で見てみましょう。


























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