強炭酸水はゲーマーの集中力と健康を支える「いつものドリンク」に最適
より細かく結果を見ると、真水の条件ではプレー時間が長くなるにつれて、主観的な疲労感が増え、判断の速さや正確さも落ちていきました。
一方、強炭酸水の条件では、こうした低下が抑えられました。
プレーそのものの勝敗に直結する能力が急に上がったわけではありませんが、少なくとも長時間プレーにともなう認知疲労の進行を遅らせた可能性があります。
特に興味深いのが瞳孔径です。
真水では時間がたつにつれて瞳孔が縮小しましたが、強炭酸水ではその縮小が抑えられました。
瞳孔の変化は前頭前野の働きや覚醒状態と関係すると考えられており、研究では、瞳孔の縮小が大きいほど判断の遅れも大きい傾向が見られました。
では、なぜ炭酸水でこうした変化が起きたのでしょうか。
研究者らは、炭酸水が口や喉に与える刺激に注目しています。
炭酸のピリッとした感覚は、咽頭の感覚受容体を通じて脳幹に伝わり、そこから覚醒や実行機能に関わる神経活動を支える可能性があると考えられています。
簡単に言えば、炭酸水はコーヒーのように強く押し上げるというより、感覚の刺激で脳の覚醒をそっと支えるような働きをしているのかもしれません。
もっとも、これは今回の研究で直接証明されたわけではなく、あくまで既存の知見を踏まえた有力な説明です。
もう一つ重要なのは、心拍数、血糖値、コルチゾルに大きな差がなかったことです。
つまり、強炭酸水は糖分やカフェインのように代謝やホルモン反応を強く動かさなくても、脳の働きを支える可能性があります。
この点は、健康面を考えると大きな魅力でしょう。
毎回エナジードリンクに頼らなくても、より穏やかな方法で頭の疲れに対処できるかもしれないのです。
ファール数が減った点も見逃せません。
攻撃や守備の成績は大きく変わらないのに、反則だけが少なくなったということは、強炭酸水が抑制の働きを保つ助けになった可能性があります。
論文でも、この点はフェアプレーを促進する可能性として言及されています。
eスポーツの場面だけでなく、長時間の勉強や仕事のように、ミスや判断の乱れを減らしたい状況にも応用の余地がありそうです。
ただし、この研究には限界もあります。
参加者は14人と少なく、しかも若いカジュアルゲーマーに限られていました。
プロ選手や高齢者、日常的にゲームをしない人でも同じ結果が出るかは分かりません。
また、今回は強炭酸水と真水の比較であり、コーヒーやエナジードリンクとの直接比較ではありません。
それでも今回の研究は、無糖の強炭酸水という身近な飲み物が長時間の頭脳活動を支える可能性を示した点で興味深い成果です。
派手な「勝利のドリンク」ではありませんが、少なくとも頭の疲れを少し和らげる「いつものドリンク」としては、かなり有望なのかもしれません。


























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