魚を狩る「水辺のマライヤマネコ」、タイで姿を消していた
マライヤマネコは、ベンガルヤマネコ属に分類される小型のヤマネコです。
分布は東南アジアに限られており、ブルネイ、インドネシア、マレーシアなどの湿地や低地林に断片的に生息しています。
タイにもかつて生息していましたが、長いあいだ記録が途絶えていました。
体長はおよそ40~56センチ、体重は約2キログラムです。
東南アジアで最も小さいヤマネコとして知られ、一般的なイエネコよりかなり小柄です。
額が平たく、頭骨が前に長めに伸びた独特の顔立ちをしています。
さらに足の指の間には水かきがあり、湿った地面や浅い水辺を動きやすい体つきになっています。
このネコが特に面白いのは、ネコ科でありながら水辺の暮らしにかなり適応していることです。
主に魚を捕食すると考えられており、ほかにもカエル、甲殻類、小型の哺乳類などを捕らえるとみられています。
森の中を歩き回る普通のネコというより、湿地を舞台にした小さなハンターなのです。
ただし、こうした暮らし方は同時に弱みでもあります。
マライヤマネコは、泥炭湿地林や沼地、川沿いの低地林など、水の多い環境に強く依存しています。
こうした場所は人間の活動で失われやすく、農地の拡大や開発、生息地の劣化、水路の汚染、狩猟などによって、暮らせる場所が狭まってきました。
そのため国際自然保護連合(IUCN)では絶滅危惧種に分類され、世界の成体数も約2500頭と推定されています。
タイで特に状況が深刻に見えたのは、最後の確認が1995年だったからです。
その後は記録が途絶え、タイ国内では「絶滅した可能性が高い」とみなされるようになりました。
つまり、タイではほとんど“幻のネコ”になっていたのです。
ところが近年、その“見えなくなっていたネコ”が再び姿を現しました。

























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