どんな捕獲方法があるの?
食虫植物の捕獲方法でよく知られるのは、以下の3つです。
1:とじ込み式
食虫植物といえば、パクっと捕食するイメージがあるものの、食中植物では数は少数タイプ。
代表的なのは「ハエトリグサ」で、捕虫器(捕虫葉)は二枚貝のような形状。写真のとおり、内側に赤いトゲのような感覚毛が生えており、虫が2回触れると1/2秒で閉じます。
すると補虫器の縁のトゲが内に曲がり、虫は出られなくなります。誤作動を防ぐ仕組みに加えて、厳重な仕組みですね。虫は10日ほどで消化されてしまいます。
2:粘着式
粘液に絡め取られた虫が、動けなくなってしまいます。北半球の高山や山地に広く分布する「モウセンゴケ」の仲間に多いのがこのタイプ。
モウセンゴケの葉に生える毛は粘毛といい、甘い香りがする粘液が出ていて虫を誘います。虫がくっつくと葉が包み込むように曲がって、逃げられにくくするものもあるのだとか。
なお、モウセンゴケは「コケ」という名前ですが、コケが好む湿地に生息するだけで、種子植物です。
3:落とし穴式
東南アジアを中心に生息し、70種類以上もある「ウツボカズラ」の捕獲法です。葉っぱがツボ型になった捕虫器が特徴で、自ら動く仕組みはないですが、工夫が満載です。
捕虫器には蓋が付いており、裏がツルっとしています。そこにある蜜腺に惹かれた虫は、足を滑らせて捕虫器に落下。また、蓋は雨があたると、その裏で雨宿りしている虫が衝撃で落ちやすい形状になっています。さらに、捕虫器の口の周囲も滑りやすくツルツルです。
捕虫袋の内側もツルツルで、返しトゲまでついているものも。落ちた虫ははいあがれません。そのうえ底には消化液入りの水分がたまっています。
「迷路罠式」と「吸引式」
このほか珍しいもので、「ゲンセリア属」独自の細い螺旋構造になっている部分に虫が入って出られなくなる「迷路罠式」や、後述するタヌキモの「吸引式」があります。