日本では「3種類のマリモ」が見つかっている
マリモは淡水性の緑藻の一種です。
一般によく知られているのは丸い球状のマリモですが、生物としてのマリモの一個体は小さな糸状の繊維となります。
これらがたくさん集まって「球状型」のマリモとなったり、他にプカプカと浮かぶ「浮遊型」や湖底にはりつく「着生型」を形成します。
世界のマリモはこの浮遊型と着生型が主流で、球状型はほとんど見られません。
それが見られるのは日本とアイスランドの湖だけといわれています。
また、日本ではこれまでに3種類のマリモが見つかっています。
1つ目は「マリモ(学名:Aegagropila linnaei)」で、産地は北海道の阿寒湖や富士五湖、琵琶湖などです。
最大で30センチ幅の球状型を形成し、表面はフェルト状で硬くゴワゴワとしています。
2つ目は「タテヤママリモ(学名:Aegagropilopsis moravica)」で、産地は北海道〜九州の間の約8カ所です。
最大3センチ幅と小さく、見た目は平べったい形をしており、質感はモフモフとした柔らかい手触りとなっています。
そして3つ目が「モトスマリモ(学名:Aegagropilopsis clavuligera)」です。
ただこの種は日本国内の自然な環境では未発見であり、2022年に山梨県甲府にある民家の水槽で初めて確認されました。
最大幅は5センチで、丸くフワフワとした形をしています。
モトスマリモは世界全体で見ても、オランダの熱帯水族館と中国の河川の2件でしか見つかっていない極めて珍しいマリモです。
そして今回報告されたのは、その日本国内で2例目となるモトスマリモの発見であり、やはり民家の水槽で見つかったのです。